ああモンテンルパの夜は更けて | 浅田けいいちオフィシャルブログ「せんいちさんの独り言」Powered by Ameba

ああモンテンルパの夜は更けて

素晴らしいドキュメンタリードラマを観ました。

フィリピンのモンテンルパに戦争犯罪人として
死刑判決を受け収容された元日本兵108人と
そこから救い出す為に力を注いだ人々のお話です。
遠藤憲一さんのナレーションと共に
実際の写真、映像、肉声テープを
織り込み戦犯となってしまった方々と
その家族の苦悩を伝えるものでした。

終戦から7年後の話。
まだ戦争は終わっていなかったのです。

その中で僕が一番心に残ったエピソードは
ある元日本兵の家族の物語。
日本兵の家族の元には夫が戦死したとの知らせが。
その後、奥様には将来の事を考え再婚の話が来たそうです。
奥さんは戦死した夫を思いながらも家族のこれからの生活を
考え再婚します。
そしてモンテンルパを訪れる国民的歌手の渡辺はま子さんが
預かった手紙によって日本の家族の現状を知らされます。

渡辺はま子さんの曲がきっかけとなり収容されていた
元日本兵の方々は帰国することになるのです。
渡辺さんは奥さんに元夫を出迎えに行くよう頼みますが、
奥さんは「行けない」とのこと。
しかし娘は父のことを覚えていないので娘だけ連れて行って
くださいと頼む。

帰国船が横浜港に到着し、渡辺さんと娘さんが出迎えます。
再会を喜んでいると離れたところに妻の姿を見つけます。
妻は「おかえりなさい」と小声でつぶやき、
頭をさげてその場を立ち去ります。

そして妻は「新しい夫と生きていきます。もう妻と呼ばないでください。」と伝えます。
奥さんにとっても辛いことだったと思います。

その後のエピソードにびっくりしました。
再婚相手のご主人が身を引いたのです。
そして二人は再度、夫婦になることができたのです。

身を引いたご主人はこうこう言ったそうです。

「私が引けば皆が幸せになれる」

戦争というのは本当に様々な人の人生を狂わせてしまった
んだと深く感じました。



多くの戦争を描いた映画、ドラマそしてドキュメンタリーが
つくられていてどれを観ても戦争の悲惨さやその肉親の悲しみ、
日本国民の悲しみを感じます。
どうしても僕は戦後の生まれで子供の頃は戦争の名残も感じない
時代に生まれたので「そういう辛い出来事があったんだ」
というところまで。
でも、多くの人が後世に伝えていかなければいけないと
思っているのでしょうね。
だから、たくさんの戦争関連の番組が作られ続けているんですね。

俳優をやっていればそういうことのお手伝いは出来そうです。


今日出会った曲レコード

「蘇州夜曲」

劇中に流れておりました。