アラビア語は今は独学ですが、もともと勉強を始めた時は大学で授業を取っていました。

取っていたというか、必修でした。

 

私の大学では3年生から自分の専門の専修課程に進むカリキュラムになっていて、私はイスラム学専修課程を選びました。

イスラム教を学ぶのにはアラビア語が必ず必要なので、授業でもアラビア語が必修でした。

授業では、文字や文法を1から学ぶなんてするはずがなく、イスラム法学や思想、哲学関係の原典を読むことになっていました。

3年生に上がるまでにある程度アラビア語を勉強した学生が進学してくることを想定して、そのようなカリキュラムになっていたのだと思います。

 

そうとも知らずに軽い気持ちで進学してしまった私は、当然のことながら相当苦労しました。

いちおう文字は読めたのですが、文法を体系的に学んだ経験が無く、原典を読むなんてもってのほかでした。

それでも授業で当てられるので、アラビア語を訳さないといけません。

1週間、毎日毎日辞書を引いて単語を調べて授業に臨んでも、予習した内容はものの30分くらいで終わってしまって、ペースにまったくついて行けませんでした。

 

そんな中、見かねた研究室の大学院生が救いの手を差し伸べてくれました。

今思えば、あまりのひどさに、面倒を見るよう教授から言づてがあったのかもしれません。

週1回、マンツーマンでアラビア語レッスンをしてくれることになったのです。

使った教材を検索してみたらアマゾンで見つけたのでリンクを張っておきます。

 

https://amzn.asia/d/jiKgyYH

Elementary Modern Standard Arabic

 

期間はよく覚えていませんが、数ヶ月はかかったと思います。

全部をやりきったわけではなく、派生形を一通り覚えたくらいで合格となりました。

派生形が分かるようになってからは辞書を引くスピードが上がって、授業の予習も以前よりは負担が減りました。

大学院生の方には本当に感謝しています。

 

残念なことに、授業でどんな文献を読んだのかはほとんど覚えていません。

唯一、イブン・バットゥータの『三大陸周遊記』を読んだことは記憶に残っています。

『三大陸周遊記』は平易なアラビア語で書かれているらしく、アラビア語ができなすぎる私たちに合わせて教授が探してきてくれたようです。

 

大学を卒業して何年か経ってアラビア語学習を再開した今、ハリーポッターを楽しく読めているのは、間違いなく大学時代の基盤があってのことです。

そのうちハリーポッター以外にも、昔のように古典を読んでみたり、ニュースや新聞を読んでみたり、楽しくアラビア語を勉強し続けたいです。