兄の在原行平は、光源氏のモデルの一人であり、『源氏物語』の第12帖「須磨」に登場する。
いまや死語だが、小町娘と今業平の意味をご存知だろうか。
日本最古の物語。
「物語の出いで来きはじめの祖おやなる竹取の翁」源氏物語。
俵屋宗達画「伊勢物語色紙『芥川』」
藤原高子ふじわらのたかいこ(清和天皇の女御のち皇太后//陽成天皇の母)を強奪して芥川をわたる在原業平。
紫式部はこのエピソードにヒントを得て、光源氏と藤壺の関係性を描いたという説がある。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
三月十日頃は凍てつくような京都盆地の寒さも峠をこして、うららかな陽光が人々の心を伸びやかにする。
また節会などの宮中行事はなく、女房たちは当座の仕事から解放されてのんびりとした時間を過ごす。
【清涼殿】と【弘徽殿】と【梅壺】に仕えている女房たちの間では、いつになく、「絵」の話でもちきりであった。
絵心のある者もない者も、いっぱしの美術評論家になって、「これがいい、あれがいい」と品定めをしている。
そんな時、絵に一家言をもつ藤壺尼宮が参内した。
【清涼殿】に赴くと、帝付きの女房たちがさかんに絵を論評しあっている。
「わたしは、この『竹取物語』の絵がいいわ」
「わたしは、『伊勢物語』の絵の方が好き」
藤壺尼宮も大の絵画ファンである。
【弘徽殿】と【梅壺】に仕えている女房たちを呼び左右に並ばせて、絵の優劣を競わせた。
【梅壷チーム】には平典侍たいらのないしのすけ、侍従内侍じじゅうのないし、少将命婦しょうしょうのみょうぶらが、
【弘徽殿チーム】には大弍典侍だいにのないしのすけ、中将命婦ちゅうじょうのみょうぶ、兵衛命婦ひょうえのみょうぶらが並んでいる。
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