【内容情報】「君のためなら千回でも!」召使いの息子ハッサンはわたしにこう叫び、落ちてゆく凧を追った。同じ乳母の乳を飲み、一緒に育ったハッサン。知恵と勇気にあふれ、頼りになる最良の友。しかし十二歳の冬の凧合戦の日、臆病者のわたしはハッサンを裏切り、友の人生を破壊した。取り返しのつかない仕打ちだった。だが二十六年を経て、一本の電話がわたしを償いの旅へと導く—全世界八〇〇万人が涙した、衝撃のデビュー長篇。
アフガニスタンのことは全然知らなかったし、そこにイスラム教に民族問題、よくニュースに出ていたスンニ派とシーア派の問題も初めて分かった。
例え兄弟のように育っても、民族と派閥問題は子供の頃から重要な意味を持つ。
どんなに仲が良くても、モンゴル系の顔立ちをしたシーア派のハザル人であり、召使いの息子であるハッサンとの関係は、考えれば考えるほど、理性と世間の間で複雑に揺れる。
とにかく、残酷な運命と、アフガニスタンの情勢、その中でも誇りを持っていき続ける人たち。主人公の犯してしまった罪。
どこまでが史実的なアフガニスタンの情勢かは分からなかったけど、とにかく物語としてかなり心にどしんと響きました!
優しくて、苦しくて、やりきれなくて、それでもどこか希望があって。そんな物語。
悲しいお話は苦手だけれど、出会えて良かったな、と思いました。
アフガニスタン出身である、著者にしか書けない小説だと思います。
自己評価★★★★☆
君のためなら千回でも(上)
著者: カーレド・ホッセイニ /佐藤耕士
出版社: 早川書房
サイズ: 文庫
ページ数: 305p
発行年月: 2007年12月