実話🤭





2話 愛人

「あの女と別れさせてくれたら、あんたに5,000,000円やる」
 一緒に熱海に行ってくれないか。
どうしたの何があったの、とりあえず話を聞こうと
父がタバコに火をつけてふーっと一息吹いた。
お客さんは
「俺はあの女にマンションも買ってやって、いけばご馳走してやり、だけどいつも俺の財布から金を盗んでいることがわかったんだ。だからもう別れたいんだ」
父は面白くなったようで、それでそれでといろいろ聞いている。熱海か、ちょっと行って遊んでくるのもいいなぁなどと言っている。
お客さんの背中越しに母親が少し離れたところで、右手を前に手刀を左右に大きく振り、お父さんやめて!やめて!としかめた顔でジェスチャーをしている。
私はそれを後から全て見ていて
愛人なんだからそれで良いのでは?
だから愛人なのではないの?
なんて面白い会話なのだと笑っていた。
その女の人絶対別れないと思うし〜
しばらく話して、父が熱海には行けないと言うと肩を落としてまた来るよと帰っていった。
私は、愛人がどんな人なのか見てみたいなぁーなどと思っていた。
お客さんは何歳位だったかなぁ・・
確か、80歳位の方でした。
後に分かったことだがウチで偽名を使っていた!
ちゃんと本妻のいる自宅で亡くなったらしい。
昔の人はかっこいい。
そして、本妻も愛人がいることを承知していたんだと!手のひらで転がすってやつか?本妻あっぱれ× 100。

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一年かけてお客様との会話を100 monogatariとして書き留めようと決め、
書き上げました。٩( 'ω' )و

〜人生のマスター達〜

この物語は、
私目線で見てきたこと
 
何が面白いかって やっぱり、ひと。
私が、今の人生を選ばなかったら
絶対に出会わなかったひとびと。
良いも悪いもない
あんなひと、こんなひと
びっくりしたり、感心したり、大笑いしたり
なかには感じ悪い人も・・・
感動したり、一緒に泣いたり
自分が若かった時に感じたことが
今は、違って見えることもある。


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#小説より奇なり 
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