高校は偏差値68の進学校

ほとんどが

国立大学を目指して

猛勉強


私も地元の大学を勧められた

家庭の事情もあり

そのように

自分の意志とは無関係に

流れていくものとばかり

思っていた


放送部朗読で

高校二年の夏

全国大会に出場

三年では

NHKホール

決勝の舞台に立つと決意


それ以来

顧問二人が

気まぐれに言い出した

腹筋・背筋の強化

大分川の土手2、3キロ

放課後たった一人で走った


根性のない他の人たちは

たった一度走っただけで音を上げ

走りたくないと顧問に猛抗議

採用


私は初志貫徹

それでも

全国には行けず

挫折

忘れ物を取りに

卒業後

新聞奨学生の道を選択


今の人生はそこそこ

成功したと思い

満足している


人生に勝ち負けはなくとも

我儘で

一度決まった約束事を

顧問にやれと言われたことを

反故にした人

その意見を

受け入れた腰抜け2人

その他は物言わぬ大勢


その人たちが

手の届かぬ

大学を卒業した人と

結婚すると心に決め

自分磨きを怠らず

そのかいあって

頭だけはいい人と結婚できた


私は自分の選択に悔いはない

お陰で

子供らも

それなりに勉強ができた

私一人の頭では

無理だったと思う


女の意地とでも言うのだろうか

目に見える幸せの基準

それは全て満たしたかった

苦労した分を取り戻す

満たされる権利が私にはあると

そう思った

それでも

時折

これで良かったのか

この道に間違いはなかったかと

思う日はある


良かったのだと思う


世の中に

優しい人は数多くいる


強さを兼ね備え

金を稼げる

優しい人で

頭のいい人は

かなり絞られる

そのハイスペックな人が

私を選んでくれる可能性は

ゼロに近い


これで良かったんだ

この道でいい

言い聞かせ

納得させねばならぬ

この道って一体なんだろうか