両足の麻痺

大助花子の花子さん


大きい装具を両足に装着

支えてもらいながらの

5年前の

起立歩行

現在69歳

5年前2019年に

余命半年と告げられてからの

復活

車椅子で夫婦漫才

全てを明らかになさりたいと

敢えて

車いすで登場

強い精神力

センターマイクに

歩いてお立ちになるのが

最終目標

現在も抗癌剤治療中



片足麻痺で

花子さんより

若いとは言え

この4年間の

リハビリは

かつて経験したことのないような

辛く

長く険しい道だった


絶望的かと思われた自立歩行


リハビリという言葉は

重い


マイナスをゼロに

寄せていく地道な歩みは

筆舌に尽くしがたい辛さ

まず

痛い

いつ来るやもしれぬ

全身を貫く

電気刺激のような

ビリビリ

まさに拷問

ゼロをプラスにする作業の

何倍もの過酷さ


テレビで

ビリビリ椅子を観る度に

吐き気がする


作り手の

演者の

物事熟慮せず

その場だけの

3文笑い

軽薄極まりない

ウケのための

低俗さに呆れ返る


実際に

苦しんで

いらっしゃる方々の

お心の

お体の

痛みを

どう思うのか


ご自分が

痛風

麻痺

その身になってみれば


自分の愚かさと

罪深さに

嫌気が差すのだろうか


一瞬ではなく


もっと強めに

日がな一日

いつ来るやもしれぬ

恐怖を

1ヶ月

味わってみるが良い

どれだけ

人間を打ちのめし

明日の自分を

想像できなくするか

試練に耐え続け

過酷に挑む

自分の姿を

思い浮かべることのできぬ

焦り

戸惑い

諦め

お分かり

いただけるだろうか

健常でも背負えぬ

15キロのおもりを

リュックに背負い

補助無しで

3時間歩く

ひたすら歩く

何故か

麻痺の左足を

庇う

右足

上半身筋力強化のため


手ぶらの散歩ではない

汗が滲み

顔が歪み

へとへとになり

途方に暮れ

それでも

怠け

甘え

諦め

かなぐり捨てて


一歩前へ


これが現実の

リハビリ


ビリビリ刺激に耐え

15キロのおもりに

屈しなかった者だけが許される

介助なしの

自立歩行


ビリビリチャレンジの

馬鹿者たちは

リハビリ患者の皆様の

現前の

苦しみを

笑いにして

楽しむ

愚かさに

いい加減

気づいて良い


笑えない方々は

大勢いる


愚か者めがっ!