男子学生が

女子部の人たちに

暴言を吐くのは

ガラが悪いわけではなく

当時の男性の

良妻賢母を好み

男尊女卑が

普通だった世情の

代弁者というふうに

【注釈】を入れないと

あらぬ誤解を招く

あの大学のみならず

他の大学も

同じようなものだったではないか



教授も

威圧できない

咳払いなどせずに

一触即発の

前に静止すれば

女子学生に対する

暴力を阻止でしたはず



上野のカフェで

働きながら

学ぶ学生と


両親の愛に

包まれながら

ぬくぬくと

余裕を持って

勉学に勤しむのとでは


【本気度】


に違いがあるのは

当たり前のこと


それを

寅子が

否定するのであれば

寸劇の

格好のまま

上野のカフェで

働き

その金で

大学に通えばいい


一見

正論に見え

他を黙らせる

台詞の中に

違和感を覚えたのは

私だけだろうか



過酷な状況は

人を鍛えるが

時として

行き過ぎた表現になる



それでも私は

親がかりではなく


【苦学生】

が好き