短歌→俺は自分の年金いくらか知らないんだぞ



威張ること

教えてあげる

〇〇円

いい覚えたね

笑われるよ



書類に弱い夫は

手続きが嫌い

一緒に

年金事務所に行ってあげた


予約の時間は20分


紙に

質問事項を

1から10まで書いて

順に教えていただく

開始から15分


所在なさ気なふりを見て


ご主人

ご自分の年金ですが

何かご質問は


特にない


練習を終え

いよいよ本番


私は

抗がん剤治療終え

退院のその日


5回

電話


分かりました

私が代わります

ご担当者の方に伝えてください


この果てに


俺は

自分の年金いくらか知らない

だなんて


笑われるよ

しっかりしなきゃ

私は

何時までも

お世話できないかもしれないよ