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先生との愛の詩

初恋

花の甘い香りと少し生温かい風が心地いい。

枝からあふれそうな桜の花を見つめながら、ゆっくりと高校の入学式へ向かう美月(みづき)

…友達できるといいけどなぁ…親こないし一人で心細いょ…
校門を入るとすぐに、大きなずっしりとした桜が1本あった。
目の前に立って眺めていると、木のちょうど裏から声がした。
 「中田先生っ、私本当に真剣なんです…。先生からしたら私は子供だけど…、でもっ」

涙をこらえながらも、気持ちを伝えようと一生懸命な気持ちなのが伝わってくる

「正直嬉しいし、別に高原の気持ちを否定するつもりはないよ。でも俺はお前の先生なをだ。本当にごめんなっ。」

子供をさとすように冷静にそして優しく答える声。

「わかりまし…た。…先生ありがとう…。」

ガサッ

…あっ!!

少し体勢を変えた拍子に、下の枯れ葉を音をたてて踏みつけてしまった。

二人の声がピタッと止み、静まり返る。
息をするのも、慎重になる。

「すみません。聞くつもりじゃなかったんですが…桜が綺麗で近づいたらつい…」

真っ赤な顔をして桜の下に現れた美月を見るなり、女生徒は顔を背けて走り去った。

そこに立ち尽くす美月と先生。

先ほどの女生徒が中田先生と呼んでいた人は身長が高く、少し色黒なスポーツ刈りで、誠実そうな目が印象的だった。

「もしかして新入生?」


「…はい。」


「いきなりすごい場面みせちゃったね。あの生徒のことは忘れてあげてくれる?あの子も辛いだろうからね。」

「はぃ…。」

さっきの女生徒を気遣う優しさを感じ、とても好感をもてた。

「そろそろ教室いかないと、入学早々遅刻だぞっ!」

はにかんだ笑みを見せて、先生は歩き出した。


ガヤガヤとした教室に入る。

…1組かぁ。友達できるかなぁ…

「ねぇねぇ私中尾 友(なかお とも)!仲良くしてねっ!」
すごく人なつっこそうな、可愛い笑顔の女の子。

「私は…」

ガラッ

「はぃはぃっ。友達作りの真っ最中だろうが、HR始めるぞっ!俺が担任の中田 真一です。1年間よろしくっ!!」

と自己紹介をしながら、美月に苦笑いをした。

…さっきの先生だ…
美月も苦笑いをかえす。

…なんか憎めない人だなぁ。

美月は先生から目が離せないでいた。