注意欠如・多動性障害(ADHD)について

 

主な症状

1 注意力

  a  注意を特定のものごとにとどめておくのが困難

  b  日常の生活習慣の習得と実行が難しい

  c  見通しを持って順序立てて考えることが困難

  d  すぐ飽きる

  e  じっくり腰を落ち着けて取り組む場面をめんどうがる

  f  後伸ばしする

 

2 多動性

  a  落ち着きがない

  b  多弁(よくしゃべる)

 

3 衝動性

  a  考える前に行動する

  b  目の前の状況に即座に反応する(辛抱できない)

 

 

上記は代表的な症状ですが 中には「うちの子 たくさん当てはまる!」と心配される方もいるのではないでしょうか

 

ここで 大切なことは 該当する症状があるから「発達障害の可能性がある」と思うのではなく それぞれの症状にどのような意味が含まれていて、周りの大人たちは どのように接したり 受け止めてあげたら良いかを考えることです

 

 

1ー a  注意を特定のものごとにとどめておくのが困難

   d  すぐ飽きる

   e  じっくり腰を落ち着けて取り組む場面をめんどうがる

 

この3点に関しては 一見どれもネガティブな内容に捉えられますが 別な角度から見ると 好奇心が旺盛といえます

 

「注意を特定のものごとにとどめておくのが困難」なのではなく、特定以外のものが気になる、新たに他のものに関心を寄せていることになり、本人はそれはそれで楽しんだりしています

 

「すぐ飽きる」についても 飽きて投げ出しているだけではなく やはり他のものに興味が移り 他のことをしていませんでしょうか? それも 本人としては 沸き立つ興味関心を満たしているにすぎません

 

「じっくり腰を落ち着けて取り組む場面をめんどうがる」これも 言ってしまえば「集中力がない」ともいえますが このようなタイプの子は 長期的な視点でものごとを捉えるのが苦手で 「目の前の楽しみ」が大好きなタイプです

ひとつのことを じっくり腰を落ち着けて取り組む研究肌の子もいれば たくさんの楽しいことを知っている子もいるということです

 

何より その子の持っている特性を認めて 伸ばしてあげることが その子の財産にもなります

 

 

1ー b  日常の生活習慣の習得と実行が難しい

   f   後伸ばしする

 

この状態は ダラダラしていたり 言われたことを守れないといった 大人をイラつかせる代表的な行為です 笑

「興味のないことには反応しない」という特性のひとつです 逆の視点で見ると 上記にもある「興味のあるものにはとことん食いつく」という素晴らしい特性を持ち合わせているということです

 

bの生活習慣となると心身の健康にも繋がってくることなので ここは「そういう特性だから」と放置はせず 基本的生活習慣のお手伝いをしながら成長を見守りましょう 忙しい親にとっては とても面倒なことですが できたことを認めつつ できないことは「手伝ってあげるよ」というスタンスで関わると 子どもを「できないダメな子」にさせずに済みます

 

fの後伸ばしにするのも 要は面倒がっていること 

ここは「後伸ばしにしていること」にこだわると 親も子も煮詰まってしまうので 「A(後伸ばしにしていること)とB(その子の興味のあるもの)どっちを先にする?」と両方セットでやるように仕向けたり 「じゃんけんしてお母さんが勝ったらAからやろう!」など 後伸ばしにする「イヤなこと」から注意をそらして進めるのも お互いがイヤな思いをせずに済む方法かもしれません

 

 

1ーc  見通しを持って順序立てて考えることが困難

 

これは長期的な視点を持つことが苦手な特性ですが 先にも述べたように ひとつひとつの点を重ね繋げてものごとを築く子もいれば 点同士は繋がってはいないけど よりどりみどりの素敵な点をたくさん持っている子もいるのです

 

ただし 先々のことで 子どもにデメリットになるようなことがあれば やはり手伝ってあげる必要があります

例えば お金の使い方なども 計画的に使える子と あればあったぶん使ってしまう子といるでしょう 小さい頃に そのようなリスクを抱えているようでしたら 大人になってしまう前に 「お金の使い方」について話し合うのもいいかもしれません

わが子が お金を一度に使い果たし サラ金のお世話になるようにはさせたくないですよね

これは ほんの一例 たとえ話ですが・・・

 

このように ついついネガティヴに考えてしまうのは 心のどこかに楽な育児をしたいという思いがあるのだと思います

それは 誰しもが思う自然なことでもあると思います

 

けれども 人間は 1人では生きていくことができず 多かれ少なかれ人のお世話になり成長します

手のかかる子かからない子 それぞれだと思いますが まずは 「うちの子はどっちかな〜」と探るのも案外楽しいものです

 

そして 本当に育てるのに困難を感じたら 1人で抱えないでください

 

各自治体で子育て支援の相談窓口もありますし こちらこちらでも受け付けています

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