3rdステージになった。

 
1stステージの時、
日本人はこのディプロマコース全ステージに
僕と4thステージに綺麗でかっこいい女性が生徒としていた。
 
 
4thステージは3Fと4Fで学ぶ、主に。
だから、その日本の女性と滅多に顔を合わせる状況はなかった。
 
 
2ndステージになると、様子が少し変化してきた。
 
 
 
新しい1stステージに日本人の生徒が3人入ってきていた。
そして、3rdステージになると新しい1stステージにまた日本人が3人入ってきた。
 
 
そんな風に、各ステージに日本人が2〜3人いるようになった。
 
 
 
3rdステージは、
レディースベーシックカットアドヴァンスだった。
 
 
このステージでは、
僕ら3rdステージの生徒は、
先生に恵まれた。
 
 
というのも、
学校側の事情で担任が決まらなかったのだ。
学校側は、1週間ごとに先生を入れ替えて僕らに教えさせたのだ。
 
 
では、なぜそれが恵まれたことなのか?
 
 
少し説明すると、、
 
 
サッスーンのベーシックカットの技術は、
理論がしっかりしている。
 
それが、ブレないのは、
基本のベーシックスタイルの切り方の展開が
全てのスタイリストが全く同じように切ることにある。
これは、世界中のサッスーンのサロンのスタイリストもサッスーンのスクールの生徒も同じだ。
 
 
ベーシックスタイルとは、
つまり、各スタイリストがそれをカットしたら、
ほぼ同じ出来上がりになるというものである。
 
 
人はそれぞれ、
その時その時、
髪の状態や長さがまちまちである。
身体の大きさも違えば、
髪質も違うし、
瞳の色も肌の色も違う。
それぞれには、
それぞれの魅力があるという事である。
 
 
スタイリストは、
基本技術を操れるようになると
クライアントの魅力が出やすいヘアスタイルを創り上げたくなる。
 
このクライアントの魅力の感じ方が、
スタイリストそれぞれが違うと、
基本技術が同じでも、
ベーシックスタイルのように同じスタイルを創り上げるとは限らないのだ。
 
いや、むしろ、全く違うスタイルになると言ってよいのだ。
 
 
そのスタイルのシルエットや髪の動きが、
スタイリストの個性として受け止められる。
 
 
だから、より多くのスタイリストに
スタイルの構築の仕方を習うことは、
スタイルのデフォルメのやり方の発想を複数伝授されるということで、大きな財産となるのである。
 
感性を著しく刺激され、
感性を発動させる新しい目安を
多く取り込むことになる。
 
 
 
通常1人の担任が、
7人のスタイリストが担任となるということは、
そんなラッキーが訪れたということなのだ。
 
 
 
それぞれの先生がそれぞれの観点で成績をつけ、
最後の先生が全部の評価を照らして、ベストを決定する。
 
 
 
 
一度、ベストスチューデントになった生徒は次の選考からは外される。
全ての生徒のチャンスを押し上げるためだ。
 
 
 
だから、1st、2ndステージで取った生徒は外される。
 
 
 
なんで、3rdステージ最終日は、
のほほんとしていた。
相変わらず、英語が聞き取れず、
横のクラスメイトに、
今あの先生、なんて言ったの?
とか訊いたりして、
またわかんないの!
と呆れられて苦笑いしているような状況だった。
 
 
まず、1stステージの発表、2ndステージの発表が終わった。
 
 
3rdでは、あの子が取るかなと予測していた。
 
少し前置きの話が入った。
担任が決まらなかったことや判定基準において検討があった事など。
 
 
「ASSA」
 
 
僕の中で、音が全く消えた。。
 
 
グァテマラのタフが僕に、
「何?あさ!お前だって。なんで?」
 
「えー、なんで?俺?えー!?いやいや、違うだろ!」
 
すると
タフが
「お前じゃないはずだよな?」
 
 
アマンダという、発表している偉めなスタイリストが言った。
 
「あさ!出てきなさい。」
 
 
この時、初めて足が震えるという経験をした。
 
 
震えて、動けない。
 
 
2ndステージでは、
アンマリーは凄く良く面倒を見てくれて、
タフがお前に嫉妬だぜ、
というくらいだから、
良く面倒見てくれたと感じたのは確かだ。
 
アンマリーが、英語もできないのに、
よく頑張ってると思ってくれたのもわかっていた。
だから、頑張れたのもある。
 
 
だから、アンマリーは、
そんな感じの僕を慮り選んでくれたのだろうと思っていた。
 
だから、力が本当にあって貰えたとは少々思えなかった。
 
 
 
 
 
だが、今回は状況が違った。
身体が瞬間的にそのあり得ない状況を察知した。
いろんな事が頭を駆け巡り、
足が震えだす。
何を思ったかも覚えてない。
 
 
とにかく、アンマリーのようによく面倒を見てくれるという感じではなく、
先生達は、それぞれ来てはいなくなりで7人。
相性が悪かった先生も2人いた。
 
選考から外れる規定の中で
 
 
どういう事故でこうなったのか。。
 
 
 
 
担任が決まらなかったため、
各先生は1週間だけ担任し、
自分の判断で成績をつけて役目を終えたわけだ。
最後の先生は、ただ、それをまとめて出た名前をあげただけだった。
 
 
ほとんどの先生は、
前回のベストスチューデントは誰かなど知らず、
いや気にせず評価を出したわけだから、
そんな事故が起こる可能性はあった。
 
 
しかし、そんな事故が起きる確率はまずないはず。
あったら漫画だ。
 
 
それが起きてしまった。
 
 
学校側は最終のこの結果に、
これをないものとして、
次点をベストにするかどうか検討しなければならなくなったはずである。
日本ならば、次点をベストにする。
 
ところが、
サッスーンの学校側はそういうチョイスの前に、
前例があるかないかを調べた。
そして、前例があるなら、そのまま。
ないなら、次点と考えたらしい。
 
 
そして、前例があったらしかった。
 
 
 
そうした偶然が功を奏し
 
3rdステージ、レディースベーシックカットアドヴァンスステージでのベストスチューデントとしての評価が舞い込む。
 
 
これは、願ったりかなったりの形。。
 
レディースの部門を両方評価された形に、
実力かわからないが、
形だけでもそうなってしまったわけだ。
 
これで、やっと、メイクの方に心おきなく切り換えていける。
 
 
節目になる。そう僕は思い。メイクに移れることに嬉しく思った。
 
 
 
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