イギリスで〈生活〉を始め出して、

3か月くらい経ち始めた頃から自然とぼくは変わり始めたに違いない。

 
 
 
本当に内弁慶で、
保守的で、変な所せっかちで、
他人に嫌と言えなくて、
自分の事は後回しにして困ってしまったりして、
そんな内面の持ち主だった。
 
 
 
しかし、自分自身としては、
ネガティヴに生きていた感覚はない。
それよりも、夢や想像で心を躍らせる部分が強く、
毎日に小さいな希望や期待をしながら生きていた。
つまり、ポジティブな在り方は外していなかった。
ただ、なぜ?なぜ?
という疑問は常にあったし、
それが場合によってはネガティヴな空気を作ることはあったと思う。
 
 
 
けれど…
人と言うのは、勝手な生き物でして、
それぞれ自分の価値観に正当性を持たせないと都合が悪い人は、
大なり小なり、その他者をネガティヴな存在にしてしまう。
 
最悪なのは、その人をネガティヴから救おうと、
そんなネガティヴじゃダメだよ!
と自分がネガティヴな根拠でその人を
積極的にネガティヴに蔑めたりする輩である。  笑笑
 
 
 
 
環境の変化は、人を本来の性質を押し出す事もある。
 
 
多くの方々は、笑うという行為など日常的な普通の事で、
別に改めて言いあげるものではないのかもしれないが、
ぼくはどちらかといえば、
笑えないタイプだったように思う。
 
 
 
そこから解放された感覚を持ったのが、
イギリスだった。
 
 
もちろん、日本でも笑いはしてた。
しかし、いつも薄い膜で自分を覆いかくして
笑っていたように気づいたのだった。
 
 
学校では、皆が他の人より上手くなる為でなく、
自分が上手くなる為に頑張っていた。
だから、互いをリスペクトし合ったし、
人が創り上げた優れたスタイルを模範に、
そのスタイルを貪欲に身につけようともした。
 
 
いい、悪い。好き嫌い。
などのジャッジからも、
〈なぜ?〉という疑問を問う事により、
それぞれの根拠を冷静に
意見として受け止め、考えてみる。
という行動や素直さの大切さを学ばせてもらった。
 
 
 
日常生活の立ち回りが、
少しずつぼくの背筋を自然と
キチンと立たせるようになっていった。
 
 
 
とはいえ、やはり、外国人、ストレンジャーという事もあり、
少々差別的な事もあったり、
大変だったり、ムカついたり、悩んだり、悲しんだりもあるにはあった。
 
 
 
ロンドンという都市にいる人種の多さは、
ニューヨークより多いかもしれないと、
当時聞いたことがある。
 
とにかく、それほど多いのなら、
いろいろ問題が出てきても不思議ではないし、
世界中に横たわる人間成長する為の
問題としていつも側にあるものだとして、
大袈裟な問題にしない事が利口なのである。
 
 
 
日常的にイギリス生活に慣れだし、
学校でも居場所を見いだし始めた頃、
 
 
ホストファミリーが長期ホリデーでフランスに行く事となり、
僕とネネとジョヴァンナだけになるとネネから話を聞いた。
 
 
ホリデーに家族が行くのは、
正しかったが、なんとジョヴァンナは
フィレンツェに帰るという事らしかった。
 
 
しかし、ジョヴァンナといれかわり、
イタリアから留学生が来るという話だった。
 
 
ジョヴァンナには本当に世話になっていて、
ジョヴァンナとの話もあるのだが、
機会があった時にしよう。
 
 
新しい留学生
 
……どんな人なんだろうか?
 
 
 
学校から帰ると、
ネネと向き合ってお茶を飲むお客さんがいた。
 
 
こんにちは。
と挨拶をしたら、その人は立ち上がって、
 
 
「こんにちは。ガブリエルといいます。
今日からこの家に世話になります。
英語を学びにイタリアから留学生として来ました。よろしく!」
 
という挨拶でして。
 
 
あー、この人か!と僕も自己紹介をした。
 
 
 
この人、実は、ベネチアにあるカトリック教会の神父なのであった。
 
 
 
数日したある日、学校から帰ると、家の中はやや賑やかであった。
 
 
6人のイタリア人の人達が増えていた。
ガブリエルの生徒たちだと言う。
神父になる人達という事だ。
先生がイギリスにいるという事で、
自分たちもイギリスに行こうと来て、
どうせなら先生に会いに行こうとこの家に訪ねてきたらしい。
 
 
そして、ネネはこの6人に、
部屋が空いているから貴方達もここにスティして構わないと言うのであった。
 
 
 
「えええっ!こ、こんな大人数で住むの?ここに?しかも、ネネ以外全員、男性!マジか!」
 
 
そんな風に思ってしまった。笑
 
 
 
そして、イギリスに来て初めて不思議な体験に出くわすのであった。
 
 
 
 
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