ぼくの顔は影がさし、額から目に斜線が漫画のようにかかっていたのは、間違いではない。
 
 
「君が降りる駅は、一体どこなんだい?」とにこやかな表情で言ったつもり。
 
 
Noooooo ‼︎
 
違う!
 
「テメーの降りる駅は、一体どこなんだ!このヤロー‼︎」と言いたかったが、英語で言うと、
「君が降りる駅は、一体どこなんだい?」と正しい訳になってしまうような英語でっ…。
 
 
万事休す!
 
 
「ぼくは、まだ、降りないんだ!」
 
オイオイオイオイ!俺の降りる駅は、カムデン、アーチウェイ、ハイゲイト、イーストフィンチレイ、フィンチレイ セントラル、後5つ目だ。
 
と、フィンチレイセントラルに着いてしまった。
 
 
 
とにかく、降りて、ダッシュしかないか!
 
 
駅を降りて、階段を上って、そこで振り返ると。
 
奴もいる。
 
もう仕方ない。
ちゃんと言おう!
 
だが、真面に言ってもダメだろう。
 
一か八かの賭けだ!
 
「君は、ぼくに興味があるみたいだけど、そうなの?」
 
「イエス。」
 
「ぼくは、イギリスに来たばかりで何もわからない。この地の人達についてもわからないんだ。」
 
黙って聞いている。
 
「ぼくも、君の事に興味があることは確かだ!」
 
大丈夫かーーー???言っちゃってるぞ〜!
 
「本当に!そうなの!?」
 
 
エエエ!食いついてる!これ、計画上手くいきそうな空気ちゃう?
 
 
「うん。そう。だから、付いてきたんでしょ?
でも、ぼくは、ホームステイしてるんだ。だから、君を家にあげられないんだ。」
 
 
「そうなんだ。」
 
 
「だから、違う日にまた会おうよ。」
いいのか?そんなこと言って、知らんぞ。
 
「家の人がこの時間に、実は迎えに来てくれることになってる。もし君がそばにいたら、きっと家の人は警察に連絡してしまうかもしれない。だから、今日は帰って!」
 
「あっ!今連絡先出せないから、下のホームの端で隠れて待ってて、連絡先を書いて持ってくるから!もう迎えが来ちゃうから!待っててくれる?」
 
 
「わかったよ!じゃ、待ってる。」
 
「うん。あっ、はやく、急いで下行って!」
 
「OK」
 
と走って下に降りる奴。。
 
 
ここぞとばかりに、100m7秒で走り抜けてるくらいの気持ちで、手を開き、凄い勢いで前後に腕を振る。突っ走しる!
 
靴から煙が立ち上ってたに違いない。。
 
 
汗びっしょり…。。
 
呼び鈴鳴らす。
 
ネネが
 
「オー、帰ってきたかい!いい一日だったかい?」
 
ネネの背中を軽く押して、扉をガシャーン!
 
ネネがビックリして、ぼくの顔を見る。
 
 
「顔色が悪そうだ!何かあったのかい?!あったんだね!こっちに、おいで!はやく!」
 
ネネは感がいい!流石だ!
 
 
ちょっとネネの雰囲気が変わった。
 
キッチンのテーブルに着くと、オレンジジュースを出してくれて、向かい側に座って、ジッーと見つめられた。
 
 
「話せるかい?アサ!話したくないなら、話さないないでいい。でも、私は心配なんだよ。だって、帰ってきた時の様子が変だったからね。」
 
 
 
で、ぼくは、たどたどしい英語で伝えようと話し始めた。
 
どうやら、ネネは100%ぼくの話を理解してくれたようだった。
 
 
そして、
 
「ダメだよう、おまえは!
 
都会はいろーんな人間がいる。
いい人ばかりじゃないんだよ。
 
おまえのような子供なんて、すぐに騙される。
 
本当に、何もなくて良かったよ。
毎日をしっかり楽しんで生きることは、とてもとても大切だ。でも、いつでも影を注意してなきゃいけないよ。
今日の一日が何事もなく、帰ってこれたら、天に感謝しなきゃならない。
 
私は、これ以上言わない。おまえは、大きなものを感じたはずだから。知った事を忘れずに、笑顔で明日を迎えなさい。
 
明日はまた違ういい日が来るよ。」
 
 
そんな風に、された事のない説教を受け、ネネに本当に申し訳なく感じた。感謝してるのだけど、
 
すごーく切なくて
 
本当は、心ではボロボロ涙が出てて、鼻水も流れてて…
 
 
もう20歳超えて、成人してるのに、まるでガキな自分を感じたり。。
 
なんか、いろーんな事を反省して、そこにジョヴァンナが帰ってきて。
 
 
「どうしたの?」と。。
 
 
やはり、長ーい時間を費やし、再び説明。
 
 
 
なんだかよくわからないけど、ジョヴァンナは少し笑ってたけど、ちょっとだけ勘違いをしながら、ぼくが傷ついてると勘違いしてるようで、
 
「アサ、大丈夫!」とギュとハグされた。
 
 
 
ママさんは、帰ってきて、ネネから話を聞いたみたいで、
 
ぼくがそんなに早口だとわかりませんて、言ってるのに、関係なく、マシンガンのように言ってくる。
 
わからない。。何言ってるのか。。
 
わかったのは、
 
「シューシ!」
 
これは、子供達がワーワーギャーギャーうるさい時出る言葉!
 
つまり、周りに「うるさい!」と言いながら喋りまくる。
 
 
まあ、言ってたことは、どうやら。
 
「その男はどんな奴だい!この近くまで来たのかい?来てたらタダじゃおかないよ!
 
誰か見たのかい?えっ?この子に何かしたのかい?
 
 
あんたも、子供じゃないんだから引っかかっちゃうなんて、本当に!悲しくなるよ!
 
と言ったような内容らしく。。
 
最初は、あーあ、迷惑かけてんなと思ったけど、
すごくすごく嬉しくもあった。
 
 
けど、やっぱり男からあんなアプローチは、俺は嫌だわ!
 
えっ?差別的だって?
 
 
いや、人間性は悪く言ってない。
 
ぼくは、男性が苦手だというだけの事。
 
 
本当、苦手。ダメだわ。
 
 

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