図書館で借りた本のその後です。

辻村深月『嘘つきジェンガ』

目次を飛ばしてしまっていたので後で知りましたが、収録作品3作全て『~詐欺』というタイトルになっています。

1つ目の特殊詐欺と2つ目のお受験詐欺は、現実にある/ありそうなお話で、3つ目は一味違った詐欺。

正体を明かしていないマンガ原作者になりすまして、一人のファンがオンラインサロンを主催し、オフ会まで開いてしまう、という話。

絶対内緒にしてくれるなら来てもいいよと、ファン心理を突いた絶妙な詐欺です。結局ウソがばれてしまうわけですが、その過程も意外な展開でおもしろかった。『世にも奇妙な物語』で映像化してほしいな。


次に読んだのは同じく辻村深月の『闇祓(やみはら)』

高校生♀が謎の転校生♂につきまとわれ、先輩♂に守ってもらうという出だしで、カップルが悪霊退治する話か…と思いながら読み進めたら、全っ然違う話でした。いい意味での裏切り。心霊現象はあまり出てきません。

お化けとか妖怪とか、または実在するものでも、知らないものを文章だけで想像するのは難しいし、自分の怖さの限界を超えられないと思います。でもこの小説の怖いところは、日常から少しずれただけなのに異常さがえげつない行動や言動なので、容易に想像できてめっちゃ怖かったです。

タイトルの「はら」は、お祓いの意味と「ハラスメント」の「ハラ」でもあります。含みのあるエンディングも、自分の周りにヤミハラ人間が現れたらどうしよう…とゾッとします。


今日も数冊借りてきました。以前は2週間で7~8冊読めたけど、最近は3~4冊がやっとです。脳の老化でしょうか…