花見がてらに厄払い
神楽坂 毘沙門天/善國寺
○厄払いと強運は表裏一体
出世稲荷もご利益あり
真偽を確かめたわけではないが、この墜落現場は以前も仏機が墜落した場所なのだという説も流れている。ますます悪魔臭い…。いやいや縁起が悪いことこの上ない。先日のチュニジアの襲撃事件を見たり、常日頃感じている交通事故で亡くなられる方々など、ほんとうにあと1分、1秒時間がズレていたら、何ごとにも出会わず済んでいたんじゃないかと思わされることが多い。私も若かりし頃、寝坊のおかげで大事件に巻き込まれなくてすんだという経験がある。人のツキとはどこに転がっているのかわからないものだ。
ということで(かなり強引ではあるが)、今回は厄払いと強運を授けてくれる「神楽坂 毘沙門天」を紹介しよう。「神楽坂 毘沙門天」は通称で、正式名称は善國寺といい、日蓮宗のお寺である。厄除けをしてくれる寺社はたくさんあるが、おススメなのは、厄除けと強運をセットにして明記してある場所が、古くからの「厄払い」スポットである。ちなみに飛行機のお守りならば、以前紹介した「飛不動」がおススメだ。
○「神楽坂」自体が縁起が良い
脇門
「神楽坂 毘沙門天」の創建は、徳川家康の江戸城入城の時である。元々は日本橋にあったのだが、大火で焼失した当寺を水戸光圀の寄進で麹町に再建するが、その後も度々火災にあい、寛政年間になってこの地へ移転し、その後はここにずっと鎮座することになった。場所と仏さまのパワーがこの地でようやくひとつになったということだろう。
ちなみに「神楽坂」の名前の由来は、いくつかある。ひとつは、今は市谷駅のそばにある「市谷亀岡八幡宮」に関するもの。このお宮はとにかく大きなお社だったのだが、それでもお宮の神楽の音がこの坂まで聞こえ届いていたからだというもの。また、「穴八幡」の御旅所(出張所のようなもの)が、ここにあり神輿が通る際に神楽を奏でたからだというもの、などである。いずれもこの付近にはまだ、筑土八幡神社や赤城神社など、神楽を奏でる社はいくつもあるので、もしかしたらどこの神楽も聞こえる坂という意味だったのかもしれない。つまり神楽坂自体も縁起の良い場所なのだ。
○ジャニーズの聖地
狛犬ならぬ狛寅
「神楽坂 毘沙門天」のお遣いは「寅」である。なので、狛犬も寅。寅年の人にとっては、都内最強の厄払いスポットだろうと思う。それから、場所柄、商売繁盛祈願も多い。江戸の後期から今に至るまで、神楽坂と言えば花街であり商売のスポットのようなイメージがあるが、この毘沙門天が移転してくる前までは、ただの武家屋敷町だった。毘沙門天が商売の神さまになることは珍しいが、たぶん「商売運」をつけてくれるということなのだろう。
ところで、ここは「ジャニーズ嵐ファン」の聖地と呼ばれている。ジャニーズの聖地は赤坂の「豊川稲荷」だろう? と思う方はある意味正統派である。こう呼ばれるようになったのは、嵐・二宮クンが「拝啓、父上様」に出演した際のロケ地だったためで、「神楽坂 毘沙門天」にお願いすると嵐のコンサートのチケットが当たる、という噂があるからだ。真偽のほどは確かめようもないが、ひとつ確かなのは、このドラマが放送されたあたりから、嵐の人気が天をつく勢いで高まっていったことである。少なくとも、嵐にはそのご利益があったのではないかと思われる。
絵馬には「嵐」の文字がぴっしり
そろそろ今年も桜の季節がやってきた。神楽坂は桜見にもよい場所である。私はどうも神楽坂と相性がよくないらしく、8割近くの確率で雨の日になってしまう。私も毎年桜を愛でに出かけるが、皆さんに迷惑をかけるといけないので、桜の季節の神楽坂は断念しよう。そのかわりにどこに出かけようか〜。こんなブログを書いていると上野公園の桜はちょっと悲しげに見えてしまう。皇居まわりや中目黒の桜は立派で美しいが、人出の多さにゲンナリする。平日の昼間に、鎌倉街道沿いやサザエさんちの近所もよいかもしれない。
さて皆さんはどこで花見をしますか?