親父は死んだ。
育ての親だった。血の繋がりは無かったがそれ以上の物があった。親として男同士として。
それが俺は刑務所の中で泣くしか出来なかった。
訴訟は3年以上にも及んでいた…。
家族みんなは限界まで来ていた。
意見が分かれ、様々な事情もあり、1人の弟とは絶縁した。
薄れゆく意識の中で気づいたら俺は人を轢いてしまっていた。心が折れていた。もがき苦しみ最後は楽になりたかった…。
(被害者とは和解も成立して命には別状はありませんでした。それが救いでした。)
情けない。
俺は長い間向精神薬によって苦しんで来た。
それは想像を絶する苦しみだ。そしてその怖さを知って欲しいと思う。
俺はベンゾジアゼピン系の薬を多く処方されていた。それは麻薬と同じ、いや、それ以上かも知れない。
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*アシュトンマニュアル(ベンゾジアゼピンに関して)
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*離脱の経験は人それぞれで、同じものがな いということでした。多くの共通する特性があるものの、個人によりその人特 有の離脱症状のパターンを呈します。離脱症状は、タイプ、質、激しさ、経時 変化、期間、その他多くの点において、個人により異なってきます。この多様 性は驚くべきことではありません。離脱の経過は多くのファクター(要因)に 影響されるからです。少し例を挙げると、そのファクターには、各ベンゾジア ゼピンの用量・種類・力価・作用時間・使用期間の長さや、処方の理由、患者 のパーソナリティ、個人的脆弱性、ライフスタイル、個人的なストレスや過去 の経験、離脱速度、離脱中および離脱後に受けるサポートのレベルなどがあり ます。そのため、これから示す離脱についてのアドバイスは一般的指針にすぎ ません。各々が、自身の進む道の詳細を見出さなければいけません。しかしこ の指針は、様々な家庭環境、職業、服薬歴を持ち、また様々な離脱速度を経た 18 才から 80 才までの多数の男女の離脱成功体験から導き出されたものです。成 功率は高く(90%以上)、たとえ 20 年以上ベンゾジアゼピンを服用し続けた人 であっても、離脱した人は肉体的にも精神的にも良くなったと感じたのです。
だから、過去に服用歴がある人の多くが、これから離脱を始めようとする人 に対して、「本当に離脱を望む人ならほとんど誰でも、ベンゾジアゼピンから離 脱することが出来る」と証言することでしょう。しかしあなたの症状が、同じ チャレンジをしている他の人の症状と異なっていたとしても(あるいは、あな たには症状がなかったとしても)、驚かないで下さい。
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医者ばかりを責めるつもりもない。俺は医者の指示を守らず急な断薬を始めた。ウツ症状の原因は向精神薬にあると漠然と思ったからだ。薬を飲むほど症状も重くなったからだ。
本来ならゆっくり少しずつ薬を減らしながら断薬して行くべきだった。
ベンゾジアゼピンの離脱症状は地獄だ。そのあまりの苦しみによってPTSD(心的外傷ストレス障害)になるほどだ。そしてストレスの対処能力も弱くなる。無意識の中に埋もれていた不快な記憶や思いが表面上に出る。そして苦しみ、ありとあらゆる不快な感情に支配され、自殺念慮に駆られて行く。
さらに自分を憎み、恨み、自責の念に駆られ、絶望的な孤独に引き込まれた。
日本は世界で一番向精神薬が消費されている。それもベンゾジアゼピン系だ。また、世界では単剤で処方される向精神薬を日本では複剤で数多く処方している。異常な国だと思う。
製薬会社の利権構造だ。医者も副作用を過少に思っているのかも知れない。
病気を治したい一心で患者はその毒に侵されていく。そしてその副作用で薬は増やされる。俺はこれを経験してきた。どうしていいかも分からなかった。地獄の苦しみだった。
酷い時には認知症のようにもなった。字は読めるが頭には入ってこない。簡単な道を覚えるのに3カ月も掛かった。
毎日愁訴に苦しみ、喜びや楽しさという感情をなくして行った。誰にも理解されない苦しみだ。
そんな中でも生きる為に必死になって働いて来た。過去の自分を恨んで、人生をやり直したい一心でそんな状態と闘ってきた。
なんども自暴自棄になり、いま考えると生きているのが不思議なほどだ。
苦しみは一生続くと思っていた。
弱った自分を人には見せないようにして地元を離れた。本来なら急な環境の変化も良くないらしいのだが、知り合いに弱った姿を見せたくない。
薬の副作用で立ちくらみになり、気づくと倒れて救急車を呼ばれた事もある。
長い時間が掛かった。
こうして良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ地道に回復してきた。
出会いもあり、別れもあった。
そして、どんな人にでもその人にしか出来ない生き方と、人それぞれの強さがあることを学んだ。
物事の見方や考え方も変わった。
誰か俺のこのブログを通りすがりで読んでくれた方がいて、当時の俺と同じように悩んでいる人がいたならば、決して諦めないで欲しい。
永遠に続く苦しみなんてない。
情けないし、かっこ悪いがこれは俺の痛切なる思いだ!
俺は8年間苦しんだ。
その苦しみによって、もう一度この世に生み落とされた。
だから世界が輝いて見える。
色んなことが出来なくなり、苦手になった事もある。無くした感情もあった。
いまは生きていて本当に良かったと思える。
俺は自分を許した。そして人を憎まないようにする。ネガティブな感情は自分の人生をも狂わせることを知った。
そして大切な思いがある。
長かった…本当に長かった。
やっと親父と約束した夢がすぐ目の前にある。
歩みは止めない。
やっとスタートラインに立てる。
諦めないで良かった。
感謝でいっぱいです。
ありがとう!!
完。