叔父さんの登場

 

前回では引きこもりになってから、アニメ、映画三昧していて、焦りから小説を書こうと決意したところまでを書きました。

 

今回はそれからです。

 

ずっと小説を書いていたかというと、そういうわけではありません。

 

世の中には十代から毎日、積み上げている人もいれば、ただ何となく書いた小説が、偶然、賞を取る、なんてこともあります。

 

妄想の中ではそういうことが私にも起こるのだと期待した時期もありました。

 

懸賞小説に応募しては、落ちるを繰り返します。

 

結構、きついんですよ、半年、一年かけて書いた小説が、はがき一枚で落選。

 

はがきが来ればよく、なんの音沙汰もない出版社がほとんどです。

 

落選して、小説を書くのを止めていた時もありました。

 

そんな時でした、叔父が家にやってきたのです。

 

家族との関係は別に良好でしたし、小説家になる、と家族には公言していました。

 

ですが、叔父も最初は普通に聞いていたのです。

 

ですがお酒がだんだん入ってくると、わざわざ私の部屋までやってきて、説教を始めたのです。

 

「車の免許を取れ、思い通りにさせてもらっているのが、一番贅沢なんだぞ」

 

この言葉は引きこもりにはきつかったです。

 

これまで引きこもりなりにも築き上げてきたものを、否定されたのですから。

 

しかもそれが正月のことですから、最悪の正月になりました。

 

最悪すぎて、その正月、テレビ番組を何を見たのか覚えているくらい、衝撃でした。

 

その年、私は叔父に叱咤激励されたのが効いたのか、就職活動というものを始めたのです。

 

と言っても、学歴もなければ何かの免許があるわけでもない。

 

とりあえず近くの特別老後施設に電話をかけて、アルバイトを募集していないか聞きました。

 

すると地元の社会福祉協議会が人を募集していたらしく、私は同級生の母親が局長を務めている社会福祉協議会へ電話したのです。

 

それまでも、社会福祉協議会の人が突然、家にやってきて、ドライブに行ったこともありました。

 

どうやら社会福祉協議会では引きこもりについて、いろいろと事業を考えていたようだったのです。

 

そこへ私が電話したので、とりあえず面接に来てください、ということで、初めて会社の面接というものを受けました。

 

と言っても、同級生の母親が私の引きこもりの状態を気遣ってくれて、顔を見たかった、という程度でした。

 

面接要項を読むと、何一つ当てはまっていない私に、面接しかくなどあるはずもなかったのですから。

 

とりあえず、社会福祉協議会で、ちょっとしたお手伝い的なことをすることになりました。

 

それは社協が無理やり作ってくれた仕事だったみたいです。

 

その後、数カ月のお手伝いを終え、私は車の免許を取りに出ました。

 

引きこもってから初めて、どこかへ時間に合わせて出かけるという経験でした。

 

毎日、自動車学校に通ったので、半年で免許を無事にとることができました。

 

しかしです。

 

引きこもりが何かを達成したら、また次へ進むのがどれだけ大変かということを知ることになります。

 

免許を取って、就職活動、と考えていましたが、よく考えれば普通免許しか持っていない、学歴のない、引きこもりをどこの会社が雇用するというのでしょうか。

 

そんなうだうだした二年が続いたある日、また社会福祉協議会から連絡があったのです。

 

この次は私が社会とつながるきっかけになった出来事を書きたいと思います。

 

今日見た映画。

「チャイルド・プレイ チャッキーの種」です。

カルト的人気シリーズ、チャイルド・プレイにブラックコメディ要素を加えたうちの、一本です。

この作品、現実世界でも作中の歌を殺人犯が歌うなど、少し物騒なこともありましたが、今も続く、長期シリーズです。