春の風物詩「たけのこごはん」
春になると、ふと食べたくなるものがあります
桜の塩漬けで包まれた和菓子、菜の花のおひたし、そして「たけのこごはん」
土の中から頭をのぞかせたばかりのたけのこを、炊きたてのごはんと一緒にいただく――そんな季節の風物詩が、食卓に春を運んでくれます
私は小学生の頃から、たけのこが大好きでした
運動会のお弁当にも、欠かせない存在
まわりの家族が「ハンバーグだ!」「唐揚げだ!」「エビフライだ!」と歓声をあげる中で、御重一段分まるまる「たけのこの炊いたん」が詰まったお弁当を前に、ひとり大喜びしていた小学1年生の私(笑)
それくらい、春はたけのこを心待ちにしています
たけのこの魅力は、その「旬の短さ」、そして「独特の食感と香り」
しかも、たけのこは掘りたてが命。時間が経つとアクが強くなり、味も落ちてしまいます
だからこそ、春の訪れを感じたら、なるべく早く食卓に迎え入れたい一品なのです
アク抜きの作業をしながら、「何を作ろうかな……」と考える時間もまた、春の楽しみのひとつ
今日は煮物?それとも炒めもの?――そんなふうに思考を巡らせるひとときも、豊かな季節の恵みの一部です
そして、炊き上がったたけのこごはん
ストウブの蓋を開けた瞬間、ほんのり香ばしい醤油の香りと、蒸しあがったたけのこの風味がふわり
キッチンいっぱいに広がるその香りに、「春が来たんだなあ」と実感します
仕上げに木の芽を添えれば、見た目も香りも春爛漫
たけのこごはんには、「春を迎える」喜びと、「季節を味わう」贅沢が詰まっています
忙しい日常の中でも、こうしたひとときの楽しみを大切にしたい
たけのこを食べることで、私たちは季節と対話し、自然のリズムにそっと寄り添っているのかもしれません
🌸たけのこごはん(4人分)
◎材料
米 … 2合
茹でたけのこ … 約150〜200g
※今日は150gで作っています
油揚げ … 1枚
木の芽(あれば)… 少々
◎調味料
だし汁 … 400ml
※水+顆粒出汁の素小さじ1(今回)
※昆布+かつお節の和風だしがあれば
醤油 … 大さじ1.1/2
酒 … 大さじ2
みりん … 大さじ1
塩 … 小さじ1/4(お好みで調整)
◎作り方
①研いだ米は半日ほど浸水する
②穂先は繊維に沿って薄切り、根元は繊維を断つように銀杏切りに
③油揚げも細切に
④炊飯器に米を入れ、だし汁(今回は顆粒だしの素)と調味料を加えて軽く混ぜる
⑤その上に、油揚げとたけのこをのせて平らにならし、炊飯スタート
⑥炊き上がったら10分ほど蒸らし、具材を崩さないようにさっくり混ぜる
⑦茶碗によそい、お好みで木の芽をトッピングしてどうぞ♪
🍚ポイント
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たけのこは下ゆでしたものを使ってください(市販の水煮でもOKですが、できれば掘りたてを)
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木の芽は、指で軽くたたくと香りが立って◎
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土鍋で炊くと、より香りが引き立ちます
おこげもまたごちそう♪
筍を見つけたら、ぜひ試してみてください🌿