中華料理の定番、「青椒肉絲(チンジャオロース)」
細切りの肉とシャキッとしたピーマン、そこに筍が加わることで、シンプルながらも奥行きのある味わいが楽しめる、ご飯が止まらなくなる一品です
でも、我が家ではなぜかこの料理のことを「糸切り炒め」と呼んでいました
特別な意味があるわけではなく、母がそう呼び始めたのがきっかけだったと思います
たぶん、肉もピーマンも筍も、すべて細く糸のように切られていたからでしょうか
「明日のお弁当には糸切り炒めを入れてあげるね」
そんな母の言葉に、小さな私は大はしゃぎしていたことを思い出します。
シャキッとした歯ざわりの良い大好きな筍、鮮やかな緑と、子どもには少しほろ苦さのあるピーマン
しっかり下味の染みた肉のうまみ
それらが口の中でひとつになった時の、ご飯が欲しくなるあの感じ
あの感覚は、外で食べる青椒肉絲とも、ちょっと違う
それはやっぱり、“我が家の味”だったからなのかもしれません
いつの間にか正式な名前を覚えて、「チンジャオロース」という言葉を口にするようになっても、
ご飯の代わりにビールを合わせるようになっても、
心のどこかでは今でも「糸切り炒め」として残っています
料理の名前ひとつにも、その家だけの呼び名や思い出が詰まっている
そんなことを、ふと思い出させてくれる——青椒肉絲の香りです
糸切り炒め(青椒肉絲)(2人分)
【材料】
牛肉(こま切れまたはモモ薄切り)...150g
ピーマン…3個
筍(根本部分)...120g
【肉の下味】
醤油…小さじ1
酒…大さじ1
片栗粉….小さじ1
【合わせ調味料】
オイスターソース…小さじ2
醤油…小さじ1
酒…大さじ1
片栗粉…小さじ1
水…大さじ2
塩…少々
サラダ油…適量
作り方
①肉を細切りにし、下味の材料を揉み込んで10分ほど置く
②ピーマンと筍も細切りにする
③フライパンに油を熱し、肉を炒め 火が通ったら一旦取り出す
④同じフライパンで塩少々をして筍を炒め
⑤ピーマンを加えて1~2分炒め、肉を戻し入れオイスターソースと酒を加え、
全体に味を馴染ませる
⑥醤油を鍋肌に加えて香りが出たら水溶き片栗粉を加えて全体に絡め炒める
ポイント
・ピーマンは炒めすぎないように!食感が命
・豚肉でOK
・合わせ調味料に砂糖小さじ1を加えたり、仕上げにごま油小さじ1を加えるとコクが増してボリュームがでますよ