アルカサルの画商

アルカサルの画商

世界は預言者であり、旅人はシャーマンである。

どうでもいい一滴
一滴、また一滴
記録に値しない一滴
一滴、また一滴
その一滴に
無理やり意味を
夢を
欲望を
見出そうとして傷つき
また一滴

さっき死んだ。

もうこれで終わりなんだ、消えてゆく。

しばらく前に体から意識が離れた。

だんだん意識が光につつまれて、

光の中に消えてゆく

だんだん眩しくなってゆく

ああ

もう少し、意識としてありたかったな

もう少し?

もう少しも

永遠も

同じことじゃないか

全部が懐かしくなってきて

なにもかも思い出せない


言葉がばらばらになり

一本の線になり

点になり

そこからすべてにむけて

広がっていく

かいびゃく以来数100年

おこもり堂のその奥の

鉄の扉のその奥の

黒石箱に収められた

暗闇仏(くらやみほとけ)は

盲目の作者が彫り

暗闇に収められれ

鍵をかけられ 

見ることを禁止され

まだ誰も見たことがない 



美樹本和尚は50歳

油と皺と贅肉と

伽羅の香りを肉にまとい

べっ甲メガネを光らせる



今日和尚は

暗闇仏(くらやみほとけ)を見に行くつもり

数100年間光も当たらず

誰にも見られていない秘密仏(ひみつぶつ)



6月の湿った風が

美樹本和尚のホクロ毛をゆらす


100均で買った安い懐中電灯を片手に

美樹本和尚はおこもり堂の奥に進んでいく


カエルが鳴いている

ゲコゲコ鳴いている

美樹本和尚の興奮の油汗の臭いが

立ちこめている


古いカギを古いカギ穴に差し込む

カギはするっと入っていき

何百年も開かれたことがない鉄の扉が開かれる


その奥の黒石箱を懐中電灯で照らし

よく切られた爪の手で

美樹本和尚は優しく撫でる


びりびりする

手のひらや血管がびりびりする

不快のような快感のような

脳がしびれる

機械油の臭いのため息が漏れる



美樹本和尚は本懐をとげる

安いライトで神聖な仏を照らす



仏はさっき彫られたみたいな瑞々しい顔で

その顔は

美樹本和尚そのものだった



かいびゃく以来数100年

おこもり堂のその奥の

鉄の扉のその奥の

黒石箱に収められた

暗闇仏(くらやみほとけ)






俺の友達の友達は神様らしい。


何かの比喩とか宗教とかではなく、実際の神様。  


俺は神様の友達の友達。



それでも変わらない日々


これといった願い事はなく、神社でも平穏無事を祈ぐらいの日々



その友達とは中学校が同じで、たまたま東京にいるので、たまに飲むくらい。


願い事とか叶えてもらわないの?と俺は聞く。


いやあ、でも神様っていつも願い事ばかり聞かされてるからうんざりしてると思う、だから友達としてなるべく普通の友達として、特別に拝んだりとかではなく、ご飯食べに行ったり、旅行行ったりとかそんな感じとそいつは答える。



まあ俺も神様がどこに住んでるとか、何をしてるとかあんまり興味ないし、そいつがある程度は誇張してる(例えば友達というか単に仕事のつながり)であろうことも想定してるから、追いかけては聞かない。



それにしても、

友達が多い人はあまり信用できないな。


単に明るくて深く考えなくて、知り合い全てに親しい人の場合が多く、そこには相手への深い尊敬や好意の希薄さがある。または利害関係でつながる商売人か。


本当に他人と付き合うならば、時間かけたり、手間かけたり、お金かけたりが必要で、どんな人でも1日の時間は24時間だから、多くても友達十人以内になるはずだ。


これは俺の持論、


俺という人間の持論。


神は人を超越しているか、当てはまらないかもだけど。



俺は声に出して言ってみる、


「俺は神様の友達の友達」



神の存在が希薄な時代の


薄っぺらい、薄っぺらい言葉。



そもそも神様って何?


そもそも友達って何?








そのゲップは

黄金色に輝く麦畑を揺らす風


ぐぅぅぅと腹にある腐った思想をほとんど吐き出す


まだ朝焼けがのこる薄雲の朝

行く宛のない日々の

とりあえずの行く宛、コンビニエンスストアー


苦い、苦い、恵比寿ビール


誰もいない公園で

誰にも迷惑かけない公園で


喉ゴス、喉ゴス、喉ゴス

ぐぅぅぅぅぅぇぇぇぇ


地平線まで実った麦畑

この豊かな世界に僕ひとり

黄金色の風がやってきて、香ばしい麦の香りと苦味

酔ったような酔い



続いている

続いている

黄金色の日々が続いている


僕が放ったどうでもいい言葉や

人に迷惑をかけた言葉や

自分の気持ちとは違う言葉や

嘘や

まことや

嘘かまことか判別つかない言葉や

全部なかったことにして

全部吐き出したことにして


黄金色の苦い日々として口を鼻を抜け


薄雲の朝から、いつか終わるその時まで


続いている。

雨に湿ったつつじの花の隙間から

礼儀正しい妖精の挨拶

世知辛い世の中で

本音と建前の境目も曖昧になり

幻想が生きるための目的に変わりつつある今日この頃

一瞬の錯覚も

永遠のメッセージのように

色めき立つ


人々の無知と自己中心が

この世界の悪の根源だと激しく頷き

自分の無知と自己中心が

発酵から腐敗、そして無味無臭になる過程を人生と呼ぶ



見間違いの妖精は

新しい世界への入り口

人間に与えられたスペックは

幻想を享受するためのものでしたよ、という

自分の自分に対する

メッセージ








疲れ切った肝臓は、今朝ビジネスクラスでフィリピンの穴場ビーチへ旅立った。

 

誰も知らない、聞いたことがない、ビーチマニアと一部の欧米人しか知らないビーチ。

 

僕はわざわざコンビニエンスストアーまで行って新聞を買い、

 

印刷された匂いを楽しむ、水だけのブレイクファースト。

 

 

よく見たら、競馬新聞だった。

 

曇りの朝。

 

昨日も曇り。

 

駅前の激安八百屋で買ってきた、桃なのか李(すもも)なのかわからない果物を眺めながら、

 

優雅に水道水を飲む。

 

贅沢、贅沢。

 

2026年、節約の年にしようと持っていたが、贅沢が止まらない。

 

 

そして海の向こうでは、戦争が、、、、

お気に入りのフレグランスは

接骨院の香り

 

木魚に対して

純粋に楽器への眼差しを向ける

 

毎日洗濯するから

下着はつけない派で

 

USAではそれが当然だとか、違うとか

 

鹿年の僕は

 

689年に1回やってくるという鹿年を待ち切れず

 

ハレー彗星に祈りをささげる毎日

 

今日も窓のない部屋で一人

 

落ちのない日記を

 

かきつづる毎日

悲しまないでと言われても悲しみます

ネギ入れないでと言われても、ネギ入れます

笑わないでと言われても笑います

玉手箱開けないでといわれても玉手箱開けます。

行かないでといわれても行きます

自分のことばかり考えないでといわれても自分のことばかり考えます

廊下は走らないでと言われても廊下は走ります


言わないでといわれても言います


自分を責めないでと言われても自分を責めます


人類がいなくなり、世界は森におおわれました

花は咲き、鳥は歌い、獣は弱肉強食です


言葉はなくなり、世界は許容だけになりました


許して、と言われたら

許します。

あることわざは、その意味の両面の可能性があるのに


それが絶対真実のような使われ方をする


デリカシーのない


先も考えない人々がそのことわざを振りかざして


いろいろなことを


台無しにする


例えば


雨降って、地固まる


そういう場合もあるが


雨降って地流れることもあるし


ひどい場合は


雨降って、地滑り