母ちゃん、ちぃせーな!

中1の三男が
私の脇でほこらしげに笑った。


いつの間にか 彼はもう
10センチも私をぬいた。





思い出せないんだよ。


君の小さいときの記憶を。



君が小さな手で
私の手を握り、母ちゃん!と言って微笑んでくれたであろう、その記憶を。


今、隣でスヤスヤ眠っている君は

誰なんだ? 


知らないだ。







彼を知れないんだよ。
ひとつも。  



いや
知らないんだ。



でも  

愛おしい人よ。


大切な誰かよ。


頼むから
記憶として留めさせてくれよ!

忘れたくなんてないんだ。


頼むから、


私があなたを産んだ証拠と
16歳まで育てた証を

ここに提示してくれ。



病気て熱がある
三男の隣りで。




君は誰なの?


って



知りたいの!  


って


泣きそう。