どんな言葉に納得したことがありますか？
先日の続きになりますが
今まで誰から言われてもピンとこなかったことが
ある言葉に出会ってストンと腹に落ちることってありますよね。
例えば
「健康に気をつけましょう！」と言われても
ピンとこなかったのが
「お嬢さんの花嫁姿を、元気な状態で見たいですよね」と言われて
健康に気をつけるようになったり…
これまで、どんな言葉に納得したことがありますか？
同じ内容でも
納得できる言葉とそうでない言葉の違いって
一体どこにあるのでしょう？
小学校の頃、クラスの女子とケンカをした思い出があります…
最初は「バーカ」とか
「おたんこなす（死語？）」とか
口げんかなのですが
だんだんエスカレートしてくると
お互いにモノを投げたり
手を出して、叩き合ったりしたわけです。
しばらくすると、誰かが告げ口をして
担任の先生が
「職員室に来なさい。」
と言われ、しぶしぶ職員室に行くと
先生からお説教とゲンコツを喰らうわけです。
だけど子供心に
どうしても釈然としないことがあるわけです…
同じようにケンカをしていたはずなのに
なぜか相手の女子より私が叱られるのです。
「女の子は、顔に傷をつけちゃいけない」
「女の子は、将来赤ちゃんを産むのだから、体を大事にしないといけない」
「だから、女の子にモノを投げたり、叩いたりしちゃダメなんや」
もちろん、今の私は
当時の先生の言いたいことはよくわかります。
でも当時子供の私は
「この先生は、自分がきっと女子をひいきするんだろう」
ぐらいにしか思っていませんでした。
なので叱られているときは
反省しているフリはしていましたが
またしばらくするとケンカをして、職員室に呼ばれて…と繰り返したわけです。
家に帰ったら親父に
「オマエ！女の子とケンカしたんか？」と袋叩きにされるわけです。
女の子の方が口が立つわけですから
悔しいですよね？
「関係ないやん！」と心の中で思っていました。
でも、ある時から女子とケンカをするのをピタッとやめました。
それは、ひと言がきっかけだったのです。
「かっこいい男になりたいか？」
私は「うん！」と答えました。
「かっこいい男になりたかったら、女子に手を挙げたらアカン！」
「なんで？」と聞いたところ
「それがかっこいい男の条件や。
理由なんてない。
ヒーローは女の人に暴力を振るったりしないやろ？」
それを聞いて、妙に納得しました。
かっこいい男になるには
女子にモノを投げたり、叩いたりしてはいけないんだな。と。
単純です(笑)
それ以来、女子とケンカをするときは
相手がモノを投げてきたり
叩いてきても、自分は口げんかで我慢するようになりました。
我慢するときは正直くやしいですが
そのくやしさの反面
「我慢することでかっこいい男に一歩近づいている」という
変な満足感もありました（笑）。
当時はそんなことを考えもしませんでしたが
今になってわかったことがあります。
それは、担任の先生の叱り方が
「女の子は顔が大事だから
将来子どもを生む体になるから
手を挙げてはいけない。」という
女子側の視点であったのに対して
親父から言われたのが
「かっこいい男になりたいなら女の子に手を挙げてはいけない」
という私側の視点に立った言葉でした。
言っていることは
「女の子に手を挙げてはいけない」という同じことですが
誰の視点からの言葉なのかで、その説得力は全く違ったわけです。
同じことを言っているのに
説得力がある人と、説得力がない人がいますよね。
Ａさんに言われてもピンとこないのに
Ｂさんに言われるとストンと腹に落ちる・・・みたいな。
いろんな原因が考えられますが
その一つに「誰の視点で語っているか」
ということが重要なのではないでしょうか。
『相手の立場に立って考える』というのは
コミュニケーションの基本中の基本です。
しかし、理屈ではわかっていても
なかなかできないこともありますよね。
何かを伝えようとする時に
例えばお願いをしたり
叱ったり、諭したりするような場合
その前に
「相手の視点だったら、どんな言葉が出てくるだろう？」
そう自分に問いかけるだけで
より伝わりやすくなるかもしれないですね。
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