私がまだ小学校低学年の頃。

住んでいた家の近くに女子高の女子寮があり
そこの寮長さんが猫好きで
たくさんの野良猫ちゃん達のお世話をしていました。

私はその頃から動物が大好き。
学校から帰ると真っ先に猫ちゃんたちに会いに行って
夕方まで戯れていました。

その中にいた片目のない少し長毛のキジトラちゃん。

いつも猫たちの中心にいて
その子の周りに猫たちが集まっている感じだったから
もしかしたらボス猫だったのかな?

最初は片目猫ちゃんって呼んでたのだけど
私にすごく懐いてくれたので
勝手に『リリー』って名前を付けて可愛がっていました。

とっても凛々しくて堂々とした風格のあるリリー。
勝手に女の子だと決めつけてたけど
今思うときっと男の子だったよね(笑)

こんな感じ…
向かって左目に傷があり塞がった状態でした。

※お写真はお借りしました


鋭い目をしていたけど穏やかな子で

私がリリーって呼ぶとどこからともなく現れて

ゴロゴロ〜スリスリ〜お膝に乗ってくれて。


嫌な事や悲しい事があった時もリリーをお膝に乗せて

時間があるだけ撫ぜ撫ぜして過ごしました。


余談ですが。。

野良猫のリリーでもお膝に乗ってくれたので

猫は慣れればお膝に乗るものだと思っていて…

少しの間飼っていた高齢猫のすずだってお膝猫だったし…

アルタとベガがいつまでもお膝に乗ってくれないのはかなりの衝撃でした(笑)


そんなある日リリーが呼んでも姿を現さなくなって。。

どうしたのかな…

ずっと心配していましたが1ヶ月ほど経って戻って来たリリー。


子供の目から見ても分かるほど痩せてやさぐれていて

何か大変な目にあったのだなと…

いつものように撫でようと手を出すとガブッと噛まれました。


リリー私の事忘れちゃったのかな?


一緒にいた妹に「リリーが噛んだこと誰にも言っちゃダメだよ、リリーが怒られちゃうから」と口止めして。

それからは毎日少し離れてリリーを見守りました。


牙がグサッと刺さり出血もしたのに消毒さえしてなかった。。

何ともなくて良かったねぇ…


行方不明になった数日の間に

心無い人に酷いことされたりしたのかなぁ…

穏やかな子だったのにきっと怖い目にあったんだね…


きっとその内元のリリーに戻ってくれるって思いながら

少し距離を縮めたりして様子を見ていて…

でもまたしばらくして姿が見えなくなりそれっきりになってしまいました。


いつも凛として逞しくとってもとっても優しかったリリー。

今もずっと私の心の中にいます。



あの頃はあちこちに野良猫ちゃんが歩いていて

家猫ちゃんもお外に出してる人が多くて

猫がその辺を歩いているのが普通っていう感じだった。

周りの大人たちも優しく接していた。


寮長さんもちゃんと決まった時間にご飯をあげて

妊娠した子がいた時は産める場所を作ってあげて

お母さん猫が子猫のお世話を安全な場所で出来るように守ってあげていた。


私は子猫が見たくてそこに忍び込む困った娘で

「もう少し大きくなるまでそっとしてあげてね」って寮長さんが優しく諭してくれたな。。

その子猫たちは寮の女の子たちのご実家に貰われたりしたと聞きました。

その後妊娠した猫は見かけなかったし

寮長さんがちゃんと避妊去勢手術をしていたのかな?


私の母も猫好きで

毎日ご飯をもらいに来る通い猫ちゃんがいて

冬には庭に毛布を入れた小屋を置いてあげていた。

キジ白の男の子で優しい性格だったから

よく他の猫に喧嘩で負けて怪我していたなぁ。。


そんな中で育ったからそれが当たり前みたいだったけど

知らないところで酷い目に遭ったりお腹を空かしたり怪我して苦しんだりしていた可哀想な猫ちゃんたちもいっぱいいたんだろうな…

今はあの頃よりももっともっとお外猫ちゃんたちには生きにくい世の中だよね。



アルタとベガのブログを始めてから色々な情報を目にするようになって

野良猫ちゃんに限らずこんなにたくさん辛い思いをしてる子たちがいるんだって知った。

猫も犬も他の動物たちも。

人間がしている酷い事。


心無い人たちの中で犠牲になった子たちの話を耳にする度に心が痛くて…

悲しいから知りたくないって思うけど知らなければいけないと思う。


きっと何も知らないで生活してる人が大半なんだと思うけど

たくさんの人に知ってもらい考えて欲しい。


可哀想な子たちがいない優しい世の中になるようにと願わない日はありません。。