1ヶ月に1-2

テトと会うために

彼がおばぁちゃんの家に

車で連れて行ってくれました


会えるのは嬉しいけど

会うとまたお別れが辛い


そして

それはテトも同じ


私が行くとしばらくの間

ずっと私を待っているから可哀想だと

引き取れないなら

もう会いに来ないであげてくれと


彼のおばぁちゃんの言っている事は最もで

おばぁちゃんもテトを

可愛がってくれているからこそ

そんなテトを見るのが辛いはずです


テトの為にも

もう会いに行かない方がいいんだと

自分自身を納得させました


彼からテトの様子を聞く事しか出来ず

思い出す度に

会いたくて抱き締めたくて

胸が痛みました



それから2年が経ち


最初のうちは新しい環境に

馴染もうと必死だった私も

すっかり大阪っ子になり

生活も友人関係も

ガラリと変わりました


大阪で出会った

色んな環境で育った

個性的な友人達


自由で逞しく

陽気でストレート


全てにおいて本音

そして

親身に優しい


人情味に溢れた魅力的な人達


学歴や家柄なんて関係ない


狭い世界で生きてきた

私自身の価値観や考え方が

大きく変わっていきました


それと同時に彼とは

心のすれ違いが多くなり

どんどん距離が出来ていき

お別れする事になりました


そして

テトの様子を聞く事も

出来なくなってしまったのです


もちろん

テトを忘れた事はなく

ずっとずっと今も


あれから幸せに暮らせただろうか

病気で苦しんだりしなかっただろうか

痛い思いをしなかっただろうか

いつどんな最期だったのだろうか


気がかりでならず

思い出す度に

恋しくて申し訳なくて

涙が止まらなくなります



それから月日が流れた

20年前の3月のある日


雪が舞う寒い夜道に

雪のように真っ白な猫が

うずくまっていました


真っ白で頼りなげな出で立ちが

テトと重なって気になり

声を掛けてみましたが

ピクリとも動きません


一度は通り過ぎましたが

どうしても気になって

引き返してよく見ると

怪我をしていました


こんな寒い中に放っておいたら

死んでしまうかもしれない…


放っておく事ができず

自転車のカゴに乗せて

家に連れて帰りました


それが“すず”との出会いです



続きは明日更新します。

お読みくださりありがとうございます。



元気だった時の

すずの写真です