隔離病棟に入っていたとき、
一人の中国人の女の子と会いました。同年代。

彼女は2歳のコドモと旦那を本国に残し、
出稼ぎに来た所を、ここに入る羽目になってしまったそうで。

筆談を交えながら話す彼女は、とても寂しそうでした。

最初自分の名前が中国語読みでどう読むか知りたくて話しかけたのですが
それを機会に親しくなりました。
寂しげな笑顔の、でもとても感じのいい方でした。

(ちなみに読みはほぼ同じ。でも「珠理」の「珠」は「宝」という意味で、
とても良い名前だと言われました。)

廊下で挨拶を交わし、ぽつりぽつりと
片言の会話でしたが、彼女の存在にとても助けられました。
それは彼女も同じだったようです。

わたしが退院きまったとき、喜びと共に浮かんだのは
彼女の寂しそうな顔で、
実際それを知った彼女はとてもしょげていたそうです。

廊下を二人で歩きながら、
「タイイン…タイイン……サミシイ、ウン…」
といわれました。


帰り際、
節約でおやつも購入しようとしない彼女に、
財布に残っていたお金で
オレンジゼリーとチョコクリームビスケットを買ってわたしました。
とても喜んでくれました。

何かあとで看護婦さんにも「ありがとうね、彼女に親切にしてくれてありがとうね。」とお礼を言われた。
いや、普通に接してただけだよ……私

また、あいにくるねと伝えました。通じたかどうか分からないけど。

来週の通院日、差し入れもって、お見舞いに行って上げようと思います。