今日の午前中、
近所の大型SCにて買い出しを済ませ、
さて帰宅しようと自転車置き場へと向かった私の目に、
私の自転車へと寄りかかる小さな人影が映りました。
とても小さな、まだ幼稚園にも行っていないであろう男の子。
私の自転車によりかかったり、
かたんかたんペダルを触ったりして、ぼんやりしています。
よく見ると、何だか泣きそうな表情にも。
でもしっかり口を閉じて、
決して泣かずに佇んでいました。
回りには、親らしき人はいません。
少し離れたところに、警備員がいるだけです。
もの凄い気になったので、一寸ためらったのですが
私はいったん荷物をカゴに置き、
しゃがみ込んでしまった男の子の前にしゃがんで、
訊ねてみました。
「どうしたの?」
「・・・・・」
「お母さんは?何処?」
「・・・おうち・・・・」
蚊の鳴くような声です。
「お母さんお家なの?ひとりで来たの?」
「・・・(首を振る)」
「ええと・・・」
「おじいちゃんとおばあちゃん、かえっちゃったの・・・」
泣きそうなのに泣かない何とも言えない表情で、
男の子はポツリというのです。
「かえっちゃったの・・・」
帰った!!??Σ(゚д゚;)
---いやいや多分、どうやら祖父母につられてきたものの、
はぐれてしまった模様です。
一瞬途方に暮れかけたのですが
もっと途方に暮れているのはこの子だと気を取り直し、
質問を変えてみました。
「お家の場所、分かる?電話番号は?」
「・・・(首を振る)」
「お名前は?言える?」
「・・・」
取りあえず此処は総合案内所に連れて行って、
身体的・衣服特徴をアナウンスしてもらい、
祖父母を探すのが得策だと思われました。
きっとあっちもさがしているはずです。
「うーーん、おじいちゃんおばあちゃんとはぐれちゃったんだね。
じゃあ、探してくれるところがあっちにあるからね、
お姉ちゃんと一緒に行こう。」
「・・・(頷く)」
私は荷物を持ち直し、
その男の子の小さな背中に手を添えて、総合案内所へと向かいました。
「おじいちゃんおばあちゃんさがしてくれるからね。」
「・・・(頷く)」
そして総合案内所の近くへと来たとき。
「どこにおったんやーー!さがしてたんやぞーー!!」
と、両手を広げて
満面の笑みで駆け寄ってくるひとりのおじいちゃん。
男の子を抱き上げ、ほっとした表情で、
「どこにでもいったらあかんやろーー」
と言い含めています。
このこのおじいちゃんでした。
「ありがとうございます。
この子、どこにおりました?」
訊ねられ、
「あっちの自転車置き場に。
きっと探して出て行ってしまったんですね。
でも良かったです、みつかって。」
ありがとうございます×2と何度も頭を下げられ、
いえいえよかったですねとその場をあとにしました。
さくっと見つかってよかったなぁ・・・(´ー`)
何とも言えないほっこりした気分で、
再び自転車置き場へと向かったのでした。
しかし、一寸憤りというか
一抹の寂しさを覚えたのは、
私が声をかけるまで、あの小さな男の子は、
ひとりでぽつんとあそこに佇んでいたという事。
その間、何人かの大人、少年少女が通り過ぎたはず。
警備員だって。
・・スルーしていたわけですか?
何だかな・・と一寸思ってしまったのでした。