死ぬ前にもう一度どうしても食べたいものというのがいくつかあった。


「あった」としているのは

そのうちのいくつかは

十年以上前に再発して食べたから。


ちなみにそのラインアップは

チーズビットとカレーせんべい。


ただし


本当はカレーせんべいは

ジャンボという銘柄のが食べたいのだが

やむを得ず代用品を食した。



さて


もちろん未だ再発ならずのものもあって


具体的には


あのグリコが何を血迷ったのか

お茶漬けとふりかけに首を突っ込んだ

グリコ 知床しぶき


こいつが妙にうまくて忘れられん


お茶漬けは緑の小袋

ふりかけはオレンジのそれ


フレーク状の塩っ辛いものが

なんとも言えずうまかった



もうひとつは

カジキの切り身


「そんなもん どこにでもあるじゃん」


と言ってはいけない。



私が食したいのは、それらとはまるで異なるのだ。



まず色。


表面は見事なまでのまっかっか。


中は見事なまでのまっしろけのけ。



家内に話したところ


いわゆる「カジキのたまり漬け」というのを買ってきてくれたのだが


あれはちがう


色が違う。


あんな健康的な赤ではないのだ。


もっとすさまじい赤だった。



あれがどうしても食べたい。



何処に行けばあるのだろう?

現在進行中の仕事が三つ。


T社とM社とA社


原稿は既に自分の手元を離れている仕事が

D社とK社の二つ


引き受けていて

これからスタートするのが

T社とS社の二つ


ところがここに

もうひとつ

オファーを頂戴してしまった。


基本的に新規の版元さんに関しては

受けることを前提にはしている


ただ問題はスケジュール。


お引き受けするかどうかは

テーマと手間によらざるを得ない。



趣味がある。


庭いじり。


農作業とか大嫌いで

まさかこの年でのめり込むとは思わなかった。

完璧にはまっている。


きっかけは芝生。


庭の草が放っておくとすごい状態になって

ジャングルと化し

ボールが紛れ込んでも

虫が怖くて探せないような状況だった。


なんとかせねばと学習し

グランドキーパーなるものが必要とわかり

芝生に頼ってみた次第。


その影響で

同じ庭でも他の芝を植えていない面の

草をむしることが嫌でなくなった。


というより


タノシイ


原稿が煮詰まったとき

ちょうどよい気晴らしになる。


ただし

たいていは

のめり込みすぎて

気がつくと

陽が沈んでいたりするのだけれど。