猫の体は首、足、胴体、尻尾を細かく切られていてる、なぜ分かるかと言うと胴体らしきモノの上に頭その横に尻尾があり、足はその周りにいろんな方向を向いているから置いてあるからだ。

惨すぎる。
足に力が入らず上手く立ち上がれない。まともではない。俺が今から戦おうとしている奴は絶対にまともではない。

廊下に出て突き当たりの物置のドアを見る。もしかしたらそこに本当に隠れているかも知れない。
いや、隠れるか?俺が犯人だとしたらこんな山の中。わざわざ家には隠れない気がする。逃げる所も隠れる所も溢れかえっている。なにをしたいのか分からないが、俺に見つかるリスクを背負ってまで家に隠れる必要はない。
そう思うとさっきまで震えていた手足も落ち着きだし、風呂場の時とは打って変わったすんなり物置のドアを開けることが出来た。


そおか犯人は俺に死体を見せたいのか。
どんな生き物でもいいから。

天井のむき出しになった柱に銀色の細い糸。大きな輪っかを作って上から垂れている。その下には人の体と頭。辺りに血飛び散っている。

髪を短く切りそろえられた男の頭が少し揺れた。
その途端俺は頭をかかえてその場にしゃがみこみ大声で叫んだ。