【韓国映画】トガニ《評価・あらすじ》 | いまごろ韓国ドラマな毎日 *arupaka

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今は韓国語の勉強がメインです。

視聴済み映画の評価です。
個人的な評価ですのでご参考程度にニコちゃん
(最高は星5つ/小さい星は0.5)
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トガニ 幼き瞳の告発

2011年 作品


○出演:コン ユ
○監督:ファン ドンヒョク
○脚本:ファン ドンヒョク/コン ジヨン

評価
★★★

映画の種類

実話に基づく犯罪映画

あらすじ

妻と死別し、
体の弱い1人娘を育てていくため
教職に就く決心をしたカン イノは、
恩師の紹介で、田舎街の聴覚障害者学校に
美術教師として赴任する。

無事、着任したイノであったが、
どこか異様な雰囲気に包まれたこの学校に
違和感を感じ始める。

おびえたような表情の生徒。

一見人当たりが良さそうに見えるが、
目の奥に何か冷たいものを感じる校長。

教職に就くための金銭を
当たり前のように要求してくる
校長の双子の弟である行政室長。

そして何かを隠しているかのような
同僚たち。

不穏な空気を感じつつも、
それが何なのか突き止めることが
出来ずにいたある日、
ついに、教師による生徒への暴行現場を
目撃する。

そして、これをきっかけに
次々と恐ろしい現実が発覚する。

それは、生徒に対して、校長や教師が
日常的に暴力や性的虐待を行っているという
おぞましいものだった。
そして、それを苦に命を絶った生徒も…。

この現実に怒りを抑えられないイノは、
マスコミを使って真実を暴露し、
ついに裁判に持ち込んだのだが…。

待っていたのは、
腐敗しきった世の中だった…

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

(◎注意:結末の内容が含まれます)

主演のコン ユが兵役中に原作を読み、
除隊後、原作者のコン ジヨンに
映画化を強く望んだことで、
映像化された作品。

実際に起きた事件をもとに描かれた小説で、
この映画の公開後、
当時の関係者を強く非難する声が高まり、
事件の再検証が行われるなど、
韓国国内に強い衝撃を与えた作品ですが、
私も彼ら同様、強い衝撃を受けました。

こんな酷いことが
実際に行われていたのかと思うと
本当にゾッとします。

劇中の暴行シーンが
容赦なく描かれているため、
その悲惨さが苦しいほどに伝わってきて、
何度も目を覆いたくなりました。

加害者である校長や教師役の俳優たちの
迫真の演技も見事で、
その残忍さと気持ちの悪さに、
彼らに対する憎しみが
どんどん膨れ上がっていきました。

少しでも、この事件の残酷さを
ありのままに視聴者に伝えたいという、
監督の強い意思を感じますね。

そして何より、
この事件が社会の圧力によって揉み消され、
無罪判決という結果で終わっている現実が
許せません。

フィクション作品なら、
最後に悪は成敗されて、
すっきりするんでしょうが、
現実はそんなに上手くいかないですね。

本来公正であるべき人間たちが、
権力とお金によって、
腐敗しきっている姿は情けないです。

韓国ドラマや映画で度々、
腐敗した警察組織を扱ったものを
見かけますが、
韓国の警察内部は本当にそんなに
腐敗しきっているんでしょうか?

何を信じていいのか分からない世の中を
生きていくのは恐ろしいですね。

そして、この映画を見たとき、
子供の頃に見た「聖者の行進」という
ドラマを思い出しました。

劇中、知的障害のある女性が、
勤務先の責任者に性的暴行を受け
妊娠してしまうというシーンがあり、
その残酷さがよほど衝撃的だったのか
未だに良く覚えています。

どこの国でも、善人の皮を被って、
社会的弱者を虐げる悪い人間がいるのだと
悲しくなってしまいました。
日本も決して他人事じゃないですよね。

無罪判決になった事件を
こうして映画化することで、
国民に問題提起し、
実際に社会を動かしたというのは
すごいことだと思います。

時間が経っても、
心の片隅に強い印象を残し続けるであろう
そんな作品でした。

(暴行シーンが苦手なので、
その分、少し評価が低くなっています)