ぼくは魔術というどこか胡散臭い物を面白いと感じて追いかけたのだけど、辿り着いて見るとごく普通のことでしかなかった。というのが感想になる。
魔術を通して知ったことは、確かにその通りだ。と感じることばかりで。
もしぼくが学校の先生で、ある生徒が他の先生からあの生徒はダメだと言われ自信を失っていたら魔術をつかって真実を明かそう。
もしもその無責任な先生を信じたらその生徒はダメということに自分で決めてしまう。自分で決めたらそれが真実になる。そうなる前に魔術をかけないと。
ぼくはその生徒にこう言おう。
あの先生は何を根拠に君がダメだというのだろうね。あの先生は君の何を知っているのだろうね。あの先生は君の全てを知っているのかな。君の全てを知り、全てを分かってそのうえでダメだと言うのかな。
答は否でしかない。そして君も君自身のことを全て知り、全て分かるはずがない。それなのにあの先生も君自身も知っている気になり、分かった気になり、決めつけようとしている。
それは誤解というものではないかな。もしそれを誤解だと感じないなら君は自身を誤解している。
不可能を可能に変えるのは否の力だということは覚えておいた方が良い。
否定は否定されることで肯定に変る力を持つ。
否定を否定することが出来る者が一に止まる月の定めを知る者。つまりそれが魔術師。
