- 竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)/文藝春秋
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これから、どのようにして人をたらし込め明治維新へ時代を変えていったのか楽しみだ。
(どうも、こういう男はにが手だ)
と思ったのは、口から出る言葉一つ一つが人の意表をつくのだが、そのくせ、どの言葉も詭弁のようにみえて浮華では決してない。人をわなにかける言葉ではないのである。
自分の腹のなかでちゃんと温もりのできた言葉だからで、その言葉一つ一つが確信の入った重味がある。だまって聞いていると、その言葉の群れが、小五郎の耳から心にこころよいすわりで一つ一つ座ってゆくのである。
(これはとほうもない大人物かもしれない)
と小五郎も思った。 (P203)