前回舞台の、
「私を代わりに刑務所に入れてください」
役作りの中で、どうしてもこの本を読まなくちゃという気持ちになり、参考書籍を購入、一冊目は、この本でした。
『結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記』
2018年3月、目黒区で、当時5歳だった少女が、虐待され衰弱死した事件で、テレビで結愛ちゃんのお手紙や顔写真が連日報道されていたのが衝撃的でした。
「もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるして これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから もうぜったいやらないからね…」というような謝罪文を、5歳の女の子が父親に向けて書いていたメッセージに、いろんなことを想像して連日、自分の子どもを寝かせつけながら結愛ちゃんのことを想って涙が溢れたのが、今でもよく覚えています。
私はありがたいことに【虐待】というワードに触れることなく人生を生きてこれたので、
なぜ我が子に暴力を振るわれて平気なのか、逃げ出さなかったのか、外に助けを求めなかったのか、全く理解が出来ませんでした。
その理解を深めるためにも、リアルな虐待体験を、知りたかった、けど、読めば読むほど、もう、辛くて、辛くて、悲しくて、悲しくて、ずっと心をビリビリ引き裂かれているような感覚で、一日半くらいで読み切りました。
読んでいくと分かるのは、お母さんは、想像を絶する程に配偶者からの支配があったこと。何も考えられなくなり、従うことが全てになってしまったこと。
言葉では言い尽くせないくらいに、ジワリ、ジワリとそんな環境になっていて、どこで引き返せば良いのか、どこに希望の光があるのかも分からず、ただただ時が過ぎれば良くなるかもしれないと漠然と指示に従う日々。
気がつけば、結愛ちゃんの足の裏にはタバコを押し付けられた後があり、痩せ衰え、食事を与えても吐いてしまうようになり、衰弱して、最後に一言、「おなかがいたい」と言って亡くなってしまった。
5歳の女の子が、体重12.2kg。
体には、新旧合わせて170カ所以上の傷やアザがあったという。
直接の死因は、肺炎からの感染症である敗血症だということ。
この手記を読んで、改めて、
これは、もしかしたら、私も、こうなっていたかもしれない。
きっと、この本を読んだ半分くらいのお母さんは、そんな恐怖を抱くと思います。
そうじゃなかった半分くらいのお母さんは、「私だったらこんな風にならない」と思うかもしれない。
私は、本を読むまでは、自分の子どもが再婚相手に虐待されるのを黙って見過ごすなんて絶対許せない、と思っていましたが、読んでいると、そんな自信はなくなりました。
特に人からの言葉に影響されやすい私は、配偶者が違えばそうなっていたかもしれないと…。
精神的DVからの、精神崩壊…それは、愛さえも分からなくする。
現に、この著者も、ずっとずっと、
【結愛の為に】と思ってやり過ごしていた。
この本の世の中の、支配されている女性に、お母さんたちに、言いたい。
すぐに外に助けを求めて!!!
子どもを殺さないで!!!
そして、そんな親子を、社会が、行政が頑張って救ってくださっていることも分かっているのですが、もっともっともっと、窓口や受け入れを増やしてもらえたらと願わずにはいられません。。。
大切な人を、
大切にすることができる毎日。
それこそが、一番の幸せなのだと
気付かされました。
結愛ちゃん、たくさんがんばったね。
天国でゆっくり休んだら、
たくさんたくさん愛してくれる家族の元へ飛んでいけますように、願っています…。