ある日
波が緩やかな日の海辺を歩いていて、
砂浜で光る石を見つけました。
キラキラと波に合わせて右左へと動く石。
翌日もその翌日も
波に合わせて器用に流れながら動いていました。
キラキラと動いている姿が好きで
時々、海辺を覗いては光る石を見ていました。
私もあんな風にキラキラ輝けたらいいな
ずっと、憧れながら眺める。
光る石は海の底に呑まれることなく
砂浜を自在に移動する。
長い長い間、そんな日を過ごし
拾うことなく動き続ける石を見つめていました。
ある日、
石を見つけることができなくなりました。
海の中に呑まれたのか
誰かに拾われてしまったのか
その時初めて、光る石は
ただの海辺の石ではなく
私の宝物だったとだと思いました。
何日もずっと広い砂浜を歩いて
歩いて
何日か経ったある日
光る石を見つけました。
海辺の底で傷ついたのか、
少し小さく
少し輝きを失っていました。
どうしたら良いだろう。
考えもなく拾って
これ以上欠けないように
傷つかないように
そんな風に思いながら
手の中に包む。
もう波に合わせなくていいから
少し欠けてしまっても大丈夫だから
もう一度
光を取り戻して欲しい。
手の中で包むことしかできなかったけど
少しづつ少しづつ
石は光を取り戻しました。
私の手の中でキラキラ
光る。
でもね
私の手の中で収めていたら
石は窮屈なのかもしれない。
もっと
安らげる場所があるのかもしれない
砂浜で見つけた私の宝物。
ただの石粒だとしても
どんな価値があろうとなかろうと
私には宝物に見えたのだから
私が見つけたのではなくて
光る石が
本当にきれいだったんだと思う
