鍵(1959)
芸術か、ワイセツか?
日本中に賛否の嵐を呼んだ谷崎潤一郎の最高の問題作を、市川崑が完全映画化!
古美術鑑定家の剣持は、老化と精力の減退に悩んでいた。
ある夜ブランデーに酔って風呂場で倒れた妻・郁子を、娘・敏子の恋人・木村に介抱させ寝室まで運ばせた。
また、郁子の寝ている間にあられもない姿を撮影したフィルムの現像を託す等、木村を介しての刺激を求めるのだった。
この奇妙な4人の倒錯した愛欲の世界の果て、とは。 <Amazonサイトより>
芸術か、ワイセツか?
日本中に賛否の嵐を呼んだ谷崎潤一郎の最高の問題作を、市川崑が完全映画化!
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ある夜ブランデーに酔って風呂場で倒れた妻・郁子を、娘・敏子の恋人・木村に介抱させ寝室まで運ばせた。
また、郁子の寝ている間にあられもない姿を撮影したフィルムの現像を託す等、木村を介しての刺激を求めるのだった。
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原作は一言でいうと、窃視症気味の変態小説なので(谷崎潤一郎)
さぞ隠微な映画かと思ったら、
全編ホラーで最後はもの凄いブラックかつシュール。
演出なのか?演技なのか?
腹の底を何重にも隠した4人の単調な台詞回し。
特に長女敏子、美しい母に対して強いコンプレックスと対比するような疑い深さが滲みでている。
剣持役の中村鴈治郎も好色でフェチな内面を表面上の品の良い演技で、
スケスケのオブラートに包んだ感じもいい。策動する姿が逆に生々しい。
とにかく京マチ子の破壊力!
当時35歳のダイナマイトバディ。
そして独特のメイク。
慎み深い奥底で、チラチラと陰湿な本音をそぉっと小出しにしていく。
手鏡で木村を確認する仕草や剣持絶命の「死んだ・・・」の表情、怖い怖い。
ラスト直前
「日記を書いてみたの」の静かに、だけど内側ははしゃぐような口調の京マチ子。
内情は落ちぶれた名家からどう距離を置くか巡らす木村。
コンプレックスの根源を毒殺しようとする長女。
それぞれの打算が渦巻く食卓。
抜かれた度肝をどうしていいやら(^◇^;)右往左往しているうちに、
はなさん(北林谷栄)が静々と
「確認しながら」さらっとやってしまう(⌒-⌒; )
さりげなくバッサリと
黒い、黒過ぎる(⌒-⌒; )
1959年という時代を考えると
当時としてはかなり思い切った表現。
裸体はさらさらないにしても
間接的に伝わる京マチ子の肉感的な魅力
木村と長女敏子の逢いびきを予感させる鉄道の連結シーン(しかも何回も、警笛も激しい(^◇^;)
預かった骨董の弥勒立像を嫁に見立てて、剣持が視姦させてるかのような演出
直接的ではなく抑え目な演出がかえって変態性を醸す。
芸術か?ワイセツか?を問われると
そのどちらでもない。
原作とは別物とはいえ、限られた尺と演出の中で、品良く変態性を持たせ
シュールでブラックな苦々しいコメディに仕上げた市川崑、
原作とは別の魅力。
これ以降、何度もリメイクされた谷崎作品。官能作品の仕上がりを期待して制作されたものも多い。谷崎は耽美でフェチなので、どこを力点にするかで全然別物になってしまう。
ホラー要素強め、フェチで、最後は顔が歪むようなブラックコメディ。
外はギンギンの猛暑というのに
観終わったとき、身体の芯か冷え冷えだった。
★★★★☆
