ども!

今まで書いた内容を読み返すと

説明不足な部分が目立つなぁ…と、思いました

この伏線はここで回収しよう。と、頭では考えているのですが

いざ、文字を入力する時には、大体ド忘れしていますねw

ちゃんと前の内容も覚えておかないといかんなぁ…

ま、続きいきましょうかね





家族の憶 其ノ四

目の前に、一枚の紙が手渡された

お尋ね者と書かれており、その文字の横に、一人の男の顔が描かれている

雫は、この絵の男に見覚えがあった

絵の下に記入されている名前を確認し、確信に変わる

花月 風輝…昨夜出会った男が、そう呼ばれていたのを聞いた

名前までは分からなかったが、苗字と人相で確実だろう

「またその男を見かける事があれば、その時は捕らえて欲しい。頼めるか?雫」

手配書を渡してきた者が、声をかけてくる

雫は目線を上げ、声の主を確認する

狼牙の姿が目に入った

小さめのちゃぶ台を挟み、雫の正面に座っている

「…気になったんだけど、この人は何の罪で捕まったんだ?」

「殺しだ…」

眉をひそめ、狼牙は短く答えた

少し間を置き、さらに話を続ける

「お前も知っているだろう?金剛力同盟の名前」

「あぁ、知ってよ。割と最近結成された犯罪組織だろ?」

雫も、金剛力同盟の名は何度か耳にしていた

武術に覚えのある者が集まり、結成された組織で、主に金貸しをやっているらしい

いわゆる闇金というやつだ

ただそれだけでなく、噂によれば暗殺などもやっている聞いた

挙句には、何やら怪しい薬も取り扱っているとの話だ

「かなり狡猾な組織でな。お奉行様が苦戦している相手なんだが…まぁ、それはいい」

狼牙は軽く咳払いをした

「その組織の頭、金掌 力(きんしょう りき)の息子を、花月が殺害したんだよ」

「…何らかの理由がありそうだが…」

「ヤクザ者の息子だ。肩が軽く触れただけで、喧嘩を吹っ掛けて来るなんて、よくあるだろう?それが理由らしい」

「…要は、喧嘩の果てに誤って…って奴か」

「まぁ…そんなところだな」

雫の言葉に、狼牙は短く反応した後、不意に立ち上がる

「んじゃ、俺は帰るよ…手配書配りに来ただけだしな。突然押しかけて、悪かった」

「こっちこそ、茶も出さずに帰らせて悪いね」

「仕事中だしな。長居はできんさ」

見送りをするため、雫も立ち上がった時だった

部屋の襖がガラリと開き、奥から美華が歩いてきた

両手でお盆を持ち、その上には茶が入った湯飲みが乗っている

 部屋の中に入ってきた美華だったが、狼牙の顔を見た瞬間、表情を強張らせた

それを見た狼牙は、彼女の元へと歩み寄った

少しばかり、美華は後退りをする

それでも狼牙は近づき、正面に立ちつと、頭を下げた

「先日はすまなかった。君の事を化け物呼ばわりしてしまって…」

予想だにしていなかった言葉に、美華は目を見開き、オドオドと辺りを見回す

束の間、目線が合った雫に助けを求めるような表情をしてきた

雫は、人差し指を口に当て、ニッコリと笑う

 狼牙は、垂れていた頭を上げ、美華の目線に合わせるようにしゃがんだ

そして、真っ直ぐに目を見つめる

「鬼に変化出来ようが、君は人間に変わりない。不愉快な発言で、傷付けてしまった私を許して欲しい…」

少しばかり弱々しい声を出しながら、もう一度頭を下げた

 しばらくの間、沈黙が訪れる

美華は、跪くような形で頭を下げている狼牙のつむじを、ジッと見つめていた

やがて、小さな肩を揺らして深呼吸し、口を動かした

「大丈夫だから…頭を上げて…」

その言葉を聞き、狼牙は勢いよく頭を上げた

「許して…くれるのか…?」

「うん…」

真剣な表情をしていた狼牙に、笑顔が浮かぶ

「本当に申し訳なかった…いつか君が、困難に直面したら、必ず力を貸す。約束だ」

そう口にした後、もう一度頭を下げた

その後「茶を淹れてくれたのは有難いが、急ぎの用があるんだ。すまない」

とだけ言い残し、狼牙は玄関から帰った

 遠ざかる狼牙の後ろ姿が見えなくなるまで見送った後、振り向いて美華の様子を確認する

少しばかり嬉しそうな表情で、盆を部屋の中央にある、ちゃぶ台に置いていた

その様子に、雫はホッと胸をなで下ろす

「美華ちゃんが茶を持ってきた時はドキッとしたよ…まぁ、仲直りできたみたいだから、良かったのかな?」

「うん…」

「なら、狼牙がいきなり訪ねて来たのも、あながち悪くはなかった訳だね…いろんな意味で、内心ハラハラさせられたけど」

疲れを帯びた様な声で呟いた後、雫は近くの押し入れの前に立ち、語りかけた

「出てきて大丈夫ですよ…花月さん」

その言葉に呼応するように、押し入れの襖がゆっくりと開き、暗闇の奥から一人の男が這い出てきた

花月 風輝…昨夜、雫が偶然出会った男がそこにはいた




今回はここまで

前回から期間が空いたので、中途半端ですが一旦切ります

狼牙が美華に謝る場面を、どうしたものかと悩んでいたら、時間がかかってしまいました

後、3分の2サボっていましたw

最初は筆の進みが良いのですが、だんだんとペースが落ちるんですよね

勉強してこなかった分、語彙力の無さに悩んだりしています

やっぱ、学生時代の勉学は大事ですね

ま、ノンビリやっていきますね

したらな!







































 
















ども!

前回説明がありませんでしたが

美華は、夜なので寝ています

雫が、美華を起こさないように家を抜け

茶店に立ち寄っていたところへ、今回の事件に遭遇する形となっております

さぁ、続きを書きましょう





家族の憶編 其ノ三

雫の目の前には、刀を手にした男が立っている

荒い息をしているため、疲労しているのは確かだ

だが、下手には動けない

奉行所の追撃を逃れ、ここまで来ているからには、それ相応に刀の腕も立つはずだ

雫はゆっくりと拳を構え、様子を伺う

 しばらくの間、沈黙が続いたが、男が不意に口を開いた

「お前、奉行所の人間ではないみたいだが…何故俺の前に立つ?」

肩透かしを食らったような表情で、雫は質問に答える

「…誰だって、刀を持っている人を見かけたら、身構えるでしょう?」

構えを少し解き、男の持つ刀に目をやる

その際、男の握る刀の峰が、下を向いていることに気付いた

「…鞘までは奪えなかったんでな。抜き身だけになってしまった」

眉をひそめながら、男は刀を地に刺す

「安心しろ、お前らに危害は加えん…邪魔立てしなければな。俺は行かねばならない」

「行かねばならない…そこまでして何を…」

雫の言葉が終わる前に、警鐘の音が耳に入る

男は慌てて刀を地面から抜き、駆けだした

「待ってください!」

走りの邪魔をするように、男の前に立つ

「言っただろ!邪魔をしなければ危害は加えないと!どけっ!」

「ちょと話を聞かせてください。もしかしたら、協力できるかもしれません」

「今の俺に、そんな時間はない!それに、お前に何ができると言うんだ!」

苛立ちが篭った声で男が言う

しかし、雫は怯むどころか、フッと口元に笑みを浮かべる

「私の名前は、龍槍 雫。用心棒を生業にしています…任せてくださいよ」

そう自信ありげに言った後、雫は少し離れた位置にある、長方形の箱のような物を指差した

人が二人入れるかどうかぐらいの大きさだ

「あれは、この茶店のゴミ捨て箱です…追っ手は、私が誤魔化すので、あなたはあそこに隠れていてください」

男は迷う素振りを見せる

それもそうだろう。いきなり知らない者に、手を貸すと言われたら、警戒するのが普通だ

だが、近づいてくる警鐘の音に押されたのか、すぐに頷き、雫の目を真っ直ぐに見た後、箱の中に入った

男が箱に入る際、小さい声で「臭っ!?」と言う声が聞こえたが、きっと気のせいだろう

少し待つと、二人ほど同心の姿が見えた

一人は明かりを持ち、一人は警鐘を鳴らしながら歩いている

「何だい何だい、やかましいね!」

店の奥から、不機嫌そうな表情で、桜婆が出てきた

雫の横に立ち、音が何処から聞こえているのか確認する

「あぁ…警鐘の音かい。何があったんだろうねぇ?」

取り敢えず小首を傾げ、自分もよく分かってない素振りをする

 同心たちがこちらに気づき、警鐘を打つのを止め、こちらへ近づいてきた

「夜分に騒がしくしてしまい、申し訳ありません。事件が起きたため、住民の皆さんに、注意を促して回っています。ご理解の程をお願いします」

「事件って、いったい何があったんですか?」

平静を装いながら、雫は質問してみる

「…本来ならあってはならないのですが、脱獄が発生してしまいました。大変申し訳ありません」

二人の同心が、頭を下げた

雫は慌てて、頭を上げるように言う

「事情は分かりました。だから、頭を上げて下さい。とにかく今は、街の皆に危険を知らせないといけません…急がれた方がいいかもしれませんよ?」

早くこの場を去って欲しいと考えてばかりいたせいか、若干不自然な急かし方をしてしまった

雫は内心、自分の発した言葉に笑いそうになるが、堪える

二人の同心は、互いに顔を見合わせた後、こちらを向き、頷いた

「そうですね、あなたの言う通りです。では、失礼いたします…あっ、刀を持つ不審な男がいたら、近寄らず我々にご一報くださいね」

互いに一礼し、同心らがその場を立ち去ろうした足を出した時だった

「ぶぁっくしゅん!」

どこからともなく、くしゃみが聞こえてきた

雫は「あっ…こりゃダメだな…」と、内心察した

一人の同心が当たりを見回し、とある方向を指差す

その先には、先程男が隠れたゴミ箱があった

「あそこから聞こえた気がしたぞ…」

小声で言った後、雫たちの方を見て、下がっていろと手を動かす

その間に、もう一人の同心が鞘に手を当てながら、そっとゴミ箱に近づこうとした

 突然蓋が勢いよく開かれ、中から男が飛び出してきた

近づいていた同心は、いきなり来ると思っていなかったのか、刀を構える前に峰で打たれ、気絶した

男は、もう一人の同心に刀を突き出しながら、着物に付いたゴミを払った

「なんだって、猫じゃらしなんか捨ててあるんだ。おかげでバレちまった…」

「花月、貴様っ!神妙にしろ!」

もう一人の同心が、叫びながら刀を抜き放つ

花月と呼ばれた男は、一歩だけ同心に近づいた

その瞬間、花月の持つ刀が僅かに動き、同心の手から刀が溢れ落ちる

少し間を置き、思い出したかのように、同心が手を押さえながら膝をついた

「悪いな。俺はどうしても行かねばならないんだ…」

 少し離れた場所から、今度は警笛が聞こえてきた

奉行所の応援が、こちらへ駆けつけてきたようだ

彼がどう出るか、雫は少し様子を見ることにした

束の間、花月と目が合う

何か言いたそうな表情をした後、雫に背を向け、走り出した

 彼の後姿が見えなくなるまで見送った後、峰で打たれた同心を助け起こしに歩く

桜婆も、もう一人の怪我の有無を確認していた

「首に峰打入れられたんだろうけど、痣も何もない。余程の技の持ち主みたいだ…」

手首を押さえていた同心も、痛みはあるが、擦り傷すら無いようだ

とりあえず、二人を茶店に運ぼうと、桜婆と話していると、奉行所の応援が駆けつけてきた

簡単に事情を説明すると、怪我人の移送と花月の追跡に数人ずつで分かれ、すぐに散会する

あっという間の出来事に、雫は置いてけぼりを食らった感覚でいた

騒がしかった夜が、また静かに眠りにつく

「…ま、あれだけ腕が立つなら大丈夫かな?」

一度大きく息を吸い込み、そう言葉を口にした

その一言が聞こえたのか、桜婆が一瞬動きを止め、こちらを見る

「雫、あんまり面倒ごとに首を突っ込むんじゃないよ?用心棒も、命あっての仕事なんだからねぇ」

「ん…分かってるさ…」

軽く返事を返し、先程自分が座っていた長椅子の方を見た

騒ぎが起きる前、右目の無い女性と話していた場所

しかし、そこに人影はない

あるのは、空になった皿と一枚の紙切れ置いているだけだった

近づいてよく見ると、紙切れには字が書かれており、上には銭が置いてある

銭が落ちないよう、紙切れを引っ張り字を読んだ

「桜餅、ごちそうさまでした。食べた分はお支払いします」と、きれいな字で書かれている

「桜婆。ここに一人女性がいたんだけど…見かけなかった?」

「ん?あたしが出てきた時には、誰も座っていなかったけどねぇ?」

「ふーん…結構前から帰ってたのか…」

おそらく女性は、雫が花月と会話している際に、席を立ったのだろう

まだ少し話をしていたかったので、内心では残念に思いながら、銭を手にする

置かれていた金額と同じ額を、自分の財布から取り出し、手のひらに乗せた

これで、桜餅一皿と同じ値段になるずだ

「桜婆。代金、これで足りるかな?」

「ハイよ…あぁ、これで丁度だよ」

桜婆は、代金を受け取り、金庫へと収める

「じゃ、店はもう閉めるよ。また厄介ごとが舞い込んで来たら困るからね」

「そうだね…今日はありがとう、桜婆。こんな夜遅くに」

「そう思うんだったら、今度から昼に来るんだね」

機嫌が悪そうな声で、桜婆は言葉を口にする

しかし、表情はどこか柔らかかった

 店が完全に閉まるのを見届け、灯りが消えるまで待つ

「さて、俺も帰るとするかな…」

先程の置手紙を綺麗に折りたたみ、懐にしまう

一度大きく背伸びし、自宅への道をのんびりと歩き出した





今日はここまで

最後の方のまとめが雑でしたね、ハイ

もし、この小説を見てくだっている方がいるのならですが

前回のから、刀を持った男が何者なのかは、見当が付いていたのではないでしょうか?

花月が脱獄までして、やろうとしている事…一体何なのでしょうか?

まぁ、大体察しはつくと思いますw

期待しないで、次を待っていただければと思います

それでは

したらな!






















































ども!

今回の家族の憶編。大まかな内容は決まっているのですが…

細やかな伏線や、会話をどうすればいいのか、悩んでいます

もっと自分に、言葉のレパートリーがあれば…と、いつも思っていますね

ま、勉強を殆どサボっていたから、仕方ないね

続き、サッサと行きましょう




家族の憶編 其ノ二

満点の星空の下、とある茶屋の、入り口横にある長椅子に座り、ぼんやりと考えて事をしていた

鬼に変化できる少女との出会い

普通なら、一生かかっても出会うことは無いだろう

しかしそれは現実であり、自分の家に住むことになった

この出会いが、これからの自分の人生にどれくらい影響を与えるのだろうか?

明日の朝食は何にしようか?

そんな様々な思いが、浮かんでは消えを繰り返していた
 
「あいよ、桜餅お待ち」

考え事を断ち切るように、嗄れた声が背後から耳に入る

声の主を確かめるように、振り返った

そこには、白髪のみの髪を肩まで伸ばし、皺に覆われた顔で、不機嫌そうにこちらを見ている

「悪いね、桜婆(さくらばぁ)。店仕舞いの途中だったのにさ、無理を聞いてもらって…」

「そう思ったんなら、次からは気を付けて欲しいもんだねぇ。雫」

桜婆は眉をひそめ、雫の顔をジッと見つめてきた

少し間を置き、雫が吹き出す

「何だい?あたしの顔に、何かついているかい?」

雫が吹き出したのが気になったのか、桜婆は自分の顔を撫で回す

雫はニヤつきながら、桜婆の手を止めさせる

「いやね、いつも機嫌が悪そうな顔してるからさ…何となく可笑しくなったんだよ」

「なんだいそりゃ?あたしの顔は、生まれつきこんななんだよ。雫も知ってるだろう?」

「もちろん。けど、桜婆の事をよく知らない人が勘違いしたりして、客足が遠のかないかって、心配になったんだ」

「失礼なやつだね。あたしの顔で客が来なくなるなら、とうの昔に店を畳んどるわ…ほら、無駄話していないで早う食え。店を閉めるぞ」

「それもそうだね」

雫は大袈裟に頷き、出された桜餅を口にした

桜のような香りが鼻を抜け、その後に程よい甘さのあんこが、口いっぱいに広がる

感嘆の声が、雫の口から漏れた

「はぁ~やっぱり、桜婆の作る、桜餅は美味いな」

その言葉を聞き、桜婆の表情が和らぐ

「そうかい。ま、ゆっくり食べな。終わったら、声を掛けておくれ」

嬉しげにそう言うと、桜婆は店の奥へと引っ込んだ

 茶を啜り、ホッとため息をもらした後、目線を動かす
 
動かした視線の先で、一本の巨大な桜の木が目に入った

その桜の花びらは、淡く桃色に光り、月明かりしかない闇夜を明るく照らしている

雫が住むこの町の人々は、この桜の事を「夜光桜」と呼び、町の御神木として大切にしている

町名が「夜桜町」というのは、この桜からついたらしい

 幹は、大人数人で両手を広げても届かないくらい太く、背は家の一件を超える程はある

さらに、枝をこれでもかと言うほど伸ばし、満開の桜を年中咲かせている、不思議な桜だ

 そんな夜光桜をボンヤリと眺めながら、もう一度茶を啜る

「やっぱり綺麗だなぁ…」

そう独り言を呟いたつもりだった

「えぇ、とても美しいですね」

帰ってくる筈のない返事が来たため、少々驚いた

返事の主を確かめるため、声がした方行、右へゆっくりと顔を向ける

自分が座っている長椅子の空いた場所、つまり雫の真横にその声の主が腰を下ろしていた

知り合いだろうか?そう思い、顔を確認しようとした

すると、それに合わせるように、向こうもこちらを向いてきた

そこには、顔立ち整った一人の女性がいた

絵に描いた理想像のように美しい人で、美女という言葉は、まさにこの女性のためのものなのだろう

雫はそう考えながら、彼女の目の異変に気付く

右目が無いのだ

しかし、眼球の無いにも関わらず、目蓋はしっかりと見開かれている

目蓋の奥の空洞からは、真っ黒な闇がこちらを覗いていた

本来なら、誰もが戸惑う光景だろう

だが、雫はそれ以上気にしなかった

何らかの事故に巻き込まれ、右目を失ったのだろう

そう一瞬頭に浮かんだが、それ以上は考えなかった

 女性は、雫の表情を伺うようにジッと目を見つめた後、笑顔を見せた

「申し訳ありません、隣に座ってしまって…」

可愛らしいが、どこか意志の強さを感じる声で、女性が口を切る

「桜があまりにも綺麗だったもので…驚かせてしまいましたね…」

申し訳なさそうな表情を浮かべながら、女性は右目を覆い隠すように手を当てた

「いや、その気持ち分かりますよ。綺麗ですからね、夜光桜。これを見るだけのために、私はよくこの茶店に来ますから」

「あはは」と声を出し、雫が笑う

それに合わせ、女性も笑顔になる

「よかったら、この桜餅食べますか?美味しいですよ、ここの茶店のは」

残った桜餅が乗った皿を指差し、雫が言った

「まぁ、ありがとうございます。折角なので、お言葉に甘えて…」

女性はそっと手を伸ばし、雫が手をつけていなかった桜餅を優しく掴み、口に運ぶ

少しの間咀嚼した後、口元に満面の笑みがこぼれるのが見えた

「とっても美味しい!」と、嬉々とした声音を出す

 幸せそうに桜餅を口にする女性を横目に、雫は茶店の奥に戻った、桜婆に声を掛ける

「桜婆!お茶を一杯貰えないかなぁ?」

少しばかり間を置いた後、言葉が返って来た

「今入れるから、少し待ってな」

返事を確認した後、女性の方へ向き直る

「すぐ来るから、少し待っていてください」

「そんな!餅を頂いたのに、茶までと言う訳にはいきません…」

力強く両手を振り、これ以上は申し訳ないといった動きする

「まぁ、あまり気にしないでください。ちょっとした気まぐれですから」

「そうですか…では、ご好意に甘えさせていただきます」

優しく包み込まれそうな笑みで、女性はぺこりとお辞儀をした

 ここで、雫はふと頭に浮かんだことを、質問してみた

「今更な気はますが…あなたのお名前は?」

「あ!こちらから急に話しかけたのに、名乗りもせず申し訳ありません…私の名前は…」

女性が名を名乗りかけたその時

 そう遠くない距離から、鐘を叩く音が響いてきた

それに気を取られたのか、女性が言葉を止める

「この音…奉行所からの警鐘の音ですね。何か事件でしょうか?」

夜桜町は、何らかの事件があった際、奉行所に勤めている者たちが、警鐘を鳴らし町に事件の有無を伝えるようになっている

個人程度の事件で鳴ることはないが、火事など被害が大きくなり兼ねない時などに使われる

脱獄犯や辻斬りなど、危険な人物の存在が確認された際もそうだ

「向こうから、誰か駆けながらこちらへ来ていますね」

茶店を出て、右へ続く道の奥を眺めながら、女性が言った

月明かりのみではハッキリとは見えなかったが、小さな人影らしきものが見えた

それは、上下に激しく動く様な動作しながら、徐々にこちらへ近づき、人が走っているのだと、ハッキリと分かる

「…この道は、確か奉行所に続いていましたよね?役所の方でしょうか?」

小首を傾げながら、女性が雫の顔を覗き込む

いや、そんなはずはない

奉行所の人間なら、灯りになる物を持って行動するはずだ

しかし、近づいてくる何者かは、灯りを持っているどころか、右手には全く関係がない物を握っていた

抜き身の刀だ

それの存在を確認した瞬間、雫は女性の前に、庇うような形で前に立っていた

 駆けていた人影が徐々に近づき、月明かりだけでも表情が分かるほど、接近してきた

どうやら男のようだ

着ている着物は、ところどころ斬撃を紙一重で避けた痕がある

おそらく、幾らか太刀を交えてここまで来たのだろう

それでも傷を負っていないのは、武にそれなりの心得があるからだ

切迫した表情で男は駆けていたが、街道に立つ雫を見ると、足を止める

互いに出方を伺う

雫は、謎の女性を庇いながら

男は、肩を上下させながら

緊張した雰囲気が、その場に漂い始めていた





今回は、ここまでにしましょう

…ちょっとばかし、話が長くなってしまいましたね

おかげで、なんとも言えない中途半端な終わらになってしまいましたw

下手したら、もうちょと続いていました

これで、誤字脱字して投稿すたりするから、心底自分に呆れてしまいますw

 まぁ、長々とあとがきを書いてもしかたないので、終わりましょう

今回登場した、右目の無い女性

刀を持って駆けていた謎の男

一体何者なのか…期待しないで待っていてください

じゃ、今日はここまで

したらな!