愛する素敵なあなたへ
ノートルダム大聖堂が燃えてしまった。
尖塔が崩落する映像を見て、不思議な喪失感と後悔を感じて、ぼんやりしていた。
この後悔は、何だろう…?
ノートルダムに特別な思い入れがあった訳じゃない。
ただ、なんとなく、いつか行こう…と思っていた。
来年あたり、パリに行けたら行ってみたいな…位な感じだ。
遠い昔の大学時代、法学部なのに週8時間もフランス語の授業があるコースを取っていた。
講師は、パリ出身のムッシュ。
ムッシュは、頑なにフランス語のみを話し、
一度はパリに行きなさい、ノートルダムを見なさい、と繰り返し言っていた。
別に、ノートルダムは逃げないし…
いつか行ければ良いな〜
と思っていた。
いつか、行こう。
いつか、食べよう。
いつか、いつか…
…今じゃない理由は…大体が頭で考えた理屈だった…
いつか、が来るとは限らない。
私が私の世界の創造主なのだ。
いつか、を今にするのも私なのだ。
折しも、10連休が迫っているのに、潮干狩とバーベキューの予定しかなかった。
いずれも、夫の知人やママ友の企画してくれた日帰り企画に乗っかるだけ。
10連休は、保育園も丸々お休みだ。
前々から、夫に、
家族でどこかに行こうよ、
と持ちかけていたが、
どこも混んでるでしょ、家が一番空いてる、
と気の無い返事に、ムッとして、自分で予約する気も失せていた。
実際、どこも高い。
倍以上の値をつけてる宿もあり強気だ。
良さそうなペンション、貸別荘、軒並み満杯で、心が折れかけていた。
でも…
残りは毎日、双子を連れて公園か…と思うだけで気持ちが塞ぐ。
夫が、仕事だと言って姿を消したら…それこそイライラワンオペ双子育児ワールドだ。
そんなのイヤだ!
と思い、急ぎ検索する。
あるある…
お高めの温泉旅館…に、
さらに、一度は泊まりたかった、海の見える某素敵ホテルのスイートに1日だけ空きがあるではないか!
某素敵ホテル、レストランは子連れ不可と諦めかけていたら、ルームサービスかロビーで食事出来るカジュアルプランがある!
でも、とんでもなく高い…
カジュアルなのに…
大人2人で一泊13万越えだ…
一瞬、思考グセが蘇る。
何も、こんな高い時期に行かなくても…
子連れでスイートって、芸能人じゃあるまいし…
また、いつか、で良いのでは…?
と。
いやいやいや…
いつか、が来るとは限らないのだ。
急ぎ、夫にラインする。
他の手頃なお宿も見たけど、
どう考えても、私のワクワクセンサーが反応してるのは素敵ホテルのスイートだ❣️
コーナーバルコニーで夕陽見ながら夕食を食べるのだ!
予約する?
と聞きながらも、既に予約フォーマットは入力済み。
して。
の返事に、ドキドキしながら、ポチッと予約。
あ、値段を伝えていなかった。
でも、なんとかなるだろう。
こんなに私がワクワクと楽しみにしているのだから。
今、日本は梅雨前の気持ちの良い気候だ。
素敵な季節を楽しもう。
葉桜も青葉も美しい。
いつか、は自分で、作ろう。
愛を込めて