第3章・第2節:タイム・マシンの数理物理学的基礎

メービウスの帯の表面にソレノイド・コイルを這わせて一直線直流電流を流したとき、電流にとっては右手方向・下方がメービウスの表と裏で鏡面的に逆になるが、磁場の伝播にとっては下方・前方がメービウスの表と裏で鏡面的に逆になっている。伝播の前方・後方が逆になるということは既に時間の遡りが現実に物理世界で起こっている事を意味する。磁場とは重力場に隣接する根本的物理現象であり、重力場が時間を遅らせたり速めたりする(星に向かう光は波長が長くなり、星から発する光は波長が短くなる)既知の事実に支えられて、このメービウスの磁場はその時間の進行を後方・前方へ向ける強力なタイム・マシンと成り得ることとなる。

メービウスの帯には左捻りと右捻りの二種類が有り、それが創り出す二種類のタンポポ状の磁力線が負の質量のS極単極磁石と正の質量のN極単極磁石を成している。負の質量のS極単極磁石が働くと時間が過去に向かって遡り、正の質量のN極単極磁石が働くと時間が未来に向かって高速で進む。

単極磁石が引き起こす作用とは、そのS極単極磁石が負の質量を持った塊として、N極単極磁石が正の質量を持った塊としてメカニカルに成す作用であると共に、反エントロピー時間操作(時間の過去への遡り、未来への加速)をも一体化・体系化した物である。