こんにちは。

今日はアングラフォークというかURCレコードの話です。

このような本を読みました。

割と最近出た本で昨年の8月に発行されています。

URCレコードはアングラフォ－クや関西フォークとも言われていますね。

高田渡とか岡林信康とか五つの赤い風船あたりは私も以前から聴いていました。

URCレコードって日本で最初のインディーズレーベルとも言われているので、音楽業界関係の本とか昭和の音楽関係の本とか読んでいるとよくあれやこれや書かれている印象があります。

でも、URCが創立された話は書かれてあっても終焉については知らなかったんですよね。この本を読むことで知ることができました。

URCはアングラ・レコード・クラブの略です。創立者は秦政明という方です。彼は、フォーク・クルセダーズ、高石友也、岡林信康、五つの赤い風船などのマネージメントやイベントの実施をしてきた人物です。

66年に高石友也のデビュー・シングル「かごの鳥ブルース」が歌詞の一部を変更することを余儀なくされたこと、68年発売予定だったフォーク・クルセダーズの「イムジン河」、岡林信康の「ほんじゃまあおじゃまします（くそくらえ節）」が発売中止になったことをきっかけに、レコード制作基準倫理委員会（以下、レコ倫）の干渉を受けない自主制作盤を会員制にして頒布するURCの創設を発案します。68年11月頃に会員を募集、1000名限定の予定でしたが応募が殺到したため2000名に枠を広げたそうです。

レコード配布後も会員希望者が後を絶たなかったためマイナー・レーベルとしてURCを創設、運営します。69年に岡林信康『わたしを断罪せよ/岡林信康フォークアルバム第1集』、五つの赤い風船『おとぎばなし』を一般発売します。一部、会員限定で配布されたアルバムも一般発売したみたいです。

URCからは中川五郎、早川義夫がアルバムを出したり、竹中労監修のもと、日本禁止歌集シリーズが発売されます。斉藤哲夫、久保田真琴もURCからレコードを出しています。

70年にはロック系のアルバムも発売されます。遠藤賢司やはっぴいえんどですね。友部正人やなぎら健壱もURCからレコードを発表したみたいです。

URCの終焉を今まで知らなかったのですが、最後に出したアルバムは『大きな樹の下で』という作品です。発売を委託していた東宝レコードが倒産し、その後は発売会社を変えながら旧譜を発売していたみたいです。ややこしくてよくわかりませんでした

昨年もURC関連のCDが発売されていましたよね、確か。

この本、ほとんどがインタビューで構成されています。高石友也とか中川イサトとか、斉藤哲夫とか。アーティストのパーソナリティなことが知りたい方には向いている本だと思います。私はインタビューってあまり好きじゃないからなあ。

ハンバートハンバートの佐藤良成さんのインタビューも載っていましたよ。ハンバートハンバートは2年くらい前に知人に教えてもらいましたが、その後に知り合った方もハンバートハンバートを知っている方が複数いました。有名な方たちなんですね。ハンバートハンバートの音楽性はフォークソングだと思います。アルバムを聴いた時にフォーク・クルセダーズっぽいなって思いましたが、佐藤さんは10代の頃にURCの歌を聴かれたそうです。友部正人の『にんじん』が好きだったとおっしゃっています。『にんじん』は確かサブスクで配信されていたと思うので聴いてみようと思います。佐藤さんは1978年生まれなので生まれる以前の音楽を聴いていたってことですよね。今はYouTubeやサブスクリプションで昔の音楽って探しやすいですけど、佐藤さんが若かった頃はCDやレコード集めるの大変そうだなあって思います。

最近めっきりフォークを聴かなくなってしまいましたが、この本を読んでまた聴いてみたいと思いました。

今日は三上寛の『ひらく夢などあるじゃなし』を聴いてみました。

URCレコードで好きなのは五つの赤い風船ですね。

「血まみれの鳩」という曲が好きです。ドキッとするタイトルですが、反戦歌ケネディ大統領暗殺をモチーフにしているそうです。てっきり反戦歌だと思っていました。ぜひ聴かれてみてください。メロディは凄く綺麗ですよ。

「イムジン河」はフォーク・クルセダーズの曲ですがURCレコードから発表されたものはミューテーションファクトリーという人達が歌っているものです。この「イムジン河」がURC第1回の配布レコードです。フォーク・クルセダーズの「イムジン河」は発売中止になって表に出るまでにものすごく時間がかかったと聴いていたのですが、発売中止になった当時みんな口ずさんでいたという話を聞いたことがあって、どうしてだろうと思っていましたが、URCレコードから出ていたから、だからみんな知っていたのですね。

「イムジン河」は韓国が南北に分かれてしまったことに対する歌ですが、メロディ自体は好みと思う人が多いんじゃないかと思います。優しいけど切ない感じのメロディです。

ちなみに発売中止になった理由は歌詞や著作者を巡って朝鮮総連から抗議がありレコード会社が発売中止の判断をしたということです。確か、もともと韓国で歌われていたものを新たに歌詞をつけてフォーク・クルセダーズが発売しようとしたんです。

だから、レコードが出せなかったのは決して当時の日本人に反韓感情があったとかじゃなく、著作権的なことなので反韓よりもっと複雑なものですね。

URCレコードの曲を全部は聴き込んでいないですが、高校生の時に知っていたらのめり込んでいただろうなって思います。当時は日本では安保闘争や学生運動があったから、そういう闘争心を掻き立てるような歌詞もあったと思います。（岡林信康の「私たちの望むものは」みたいな曲）音楽性は全然違いますが、私は高校生の時にVOCALOIDのハマっていて、それも心の内側の闇の部分を歌詞に出している歌が多くて、プロテストソングって今はないけれどVOCALOIDはなんか近いものがあるのかな？って思いました。でも、プロテストソングっていうのは違うか

この本は読みたいと思っていました。たまたま図書館に入っていたので借りて読んでみました。グループサウンズが流行っていた裏でアングラフォークが人気だったっていうのが面白いなあって思います。フォークは勢いがあるから好きですね。この本で紹介されているアルバムやアーティストなど知らなかったものがたくさんあるのでまた聴いていきたいと思います。

以上。