京都を本拠地とするバレエ団による「白鳥の湖」を観賞。 
14年ぶりの再演で、この地だからか、雅で上品な趣も感じる見応えのある舞台。 
 
全幕公演を上演できるだけの人材を擁することにまず敬服。 
人材育成を担うのは京都バレエ専門学校で、1976年に日本初の文部省認可となるバレエ専門学校として設立。 
ホームページによると、 
「“パリ・オペラ座メソッドを追求”という点が大きな特徴になると思います。 
私どもが原点のバレエと考えるパリ・オペラ座メソッドをフランスに留学せずとも身につけられるという事が最大の特徴になると思います。毎年現役のパリ・オペラ座バレエ学校の先生が本校に教授の為にいらっしゃいますし、卒業研修でパリ・オペラ座バレエ学校を見学し、本場のメソッドに触れる機会などもあります。」 
京の都にて、世界トップクラスの水準を目指すという気概。 
 
演奏は京都市交響楽団。 
日本唯一の自治体直営オーケストラとして1956年創立。この日の座席は3階バルコニーの舞台寄りでオーケストラピットを見下ろせる位置だったので、演奏の様子が観賞でき、また演奏音もダイレクトに届き迫力十分。 
 
会場はロームシアター京都のメインホール。 
5年前に改装された、オペラなどの総合舞台芸術公演に対応できる4層バルコニー構造で約2000席の大ホール。 
バルコニーの最後列は通常の座席ではなく、腰を半分かけて、足をバーに置くという「止まり木席」で少し落ち着かない座り心地。 
 
京都といえば能や京舞といった伝統芸能を思い浮かべるが、バレエ団&交響楽団&会場など、この地における舞台芸術の奥行きと幅の広さを再認識。 
 
この日の公演は8/9(月)までアーカイブ配信もあり。 
京都バレエ団は2022.8.11に「ロミオとジュリエット」を上演の予定。 
 
#バレエ #京都 

 

 

現在養成中の能楽研修生による成果発表会。 
コロナ禍で伝統芸能も厳しい状況にあるが、650年続く能楽の継承者たちにエールを送りたい。 
入場無料。毎年4回開催され、次回は10/5(水)。事前申込要。 
 
■ 分かるより、感じる 
能楽師の山本章弘さんいわく、「能はあまり語らず、押し付けない、冷たい芸能。最少の動きで最大の効果を狙う」。それは芸能の究極の到達点だとも思う。細部を描き切らずに、そぎ落とすことが普遍性を生んでいる。 
 
情報過多の時代にあっては、「説明不足」「意味不明」と受け取られるのも、もっともだと思うし、それなりの観賞経験のある私自身も、正直、退屈に感じるときも。 
 
分かる・分からない、という見方でなく、登場人物の思いを感じたとか、情景が見えたという場面があれば十分というスタンスで観賞するのも良いと思う。ウトウトまどろんで、登場人物の夢や幻の世界に入り込む。眠くなるのは、気持ちが良い証拠。 
 
私自身は、囃子が好きでたまらない。笛、大鼓、小鼓、太鼓だけで森羅万象を表現する。この日の演目のひとつ「松虫」では、小鼓が成田達志さん、大鼓が山本寿弥さん。若さ溢れる直球勝負の大鼓を、円熟の包容力で受け止める小鼓。ずっと聞いていたいと思わせる世代間共演だった。 
 
■ 未経験者も受け入れる大阪養成会 
「絶滅危惧種のベンガル虎は2000頭だが、能楽師の人口はその半分の1000人しかいない」らしい。 
養成会という組織は、東京、京都、大阪にあるが、一般つまり能楽師の子息以外を受け入れているのは大阪だけ。 
 
能楽師はシテ方(主役)、ワキ方(脇役)、囃子方、狂言方に分かれていて、それぞれが専門職。研修期間は、予科1~3年、本科3年、研究科を経て、専任講師の指導のもと、能楽師として歩む。 
 
今回の発表会に出演された研修生は、観世流シテ方6人、喜多流シテ方1名、笛方2名、小鼓方1名、大鼓方1名、太鼓方1名、狂言方1名の計13名。観客に配布される「演目解説」には出演者の思いが綴られていて、それを読んだうえで舞台を拝見すると情が移り、我が子を見守るかのような親目線になる。 
(大槻能楽堂にて) 
#能楽 #大阪能楽養成会 

京都市の中心部にある町家にて、祇園祭の宵山の期間に所蔵する屏風を道行く人々に披露する伝統的習わし。 
ご当主の杉本節子さまによる丁寧な解説を聞きながら、じっくりと住宅内の各部屋や屏風を観覧。 
 
京町家は維持にお金がかかるため、毎年およそ800棟が取り壊され、マンションなどに建て替えられている。 
杉本家住宅も築150年を迎えて老朽化が進み、特に屋根は早急な修理に迫られており、屋根瓦15000枚を葺き替えるための資金として4000万円が必要なのだとか。 
 
5月末まで実施したクラウドファンディングで780万円の支援金が集まったとはいえ、まだまだ足りず、資金集めの努力は今後も続けていかれるとのこと。 
今回の特別公開はクラウドファンディングの返礼品としていただいた入館チケットで観覧させていただいた。 
ご当主から苦労話を伺い、過去に京都市で10年過ごした私としても、この町並みに欠かせない歴史ある住宅の保存・継承に微力ながら役に立ちたいと改めて思う。 
 
さて、祇園祭の山鉾巡行は今年も中止だが、疫病退散を祈る祭りの本義に則り、17の保存会が山鉾建てを実施予定とのこと。 
杉本家への往復の際、運よく長刀鉾・月鉾の鉾建ての様子を見ることができた。 
 
祈・コロナ退散! 

#杉本家 #祇園祭 
杉本家祇園祭