おひさしぶりです;
放置しててすみません・・・泣
やっとNO.6の最終巻を読みました
NO.6は、小学生のころから大好きな小説で、
いままでいろいろ読んだ中でも
特に大切な小説です。
終わってしまうのがとても悲しくて、
読むのにかなり勇気がいりました。
以下ネタバレを含みますのでお気をつけ下さい。
矯正施設の崩壊。
それはNO.6の崩壊へと兆しを意味するもので、
その炎を見つめるイヌカシの心が大きく揺れたことに、
何とも言えない気持ちになりました。
手放しで喜べない。
いままで裏切られたり騙されたり、
そういう世界で生きてきたイヌカシが
絶対的なそれの終わりを簡単に信じられるわけがない。
それはきっと西ブロックに住む様々な人々に言えることで
また、違う形でNO.6の住人にも言えることだと思いました。
NO.6が終わったからといって、人の心が綺麗に切り替わるわけもなく、
これから壁の外と内に分けられてきた人々は
互いに歩み寄るために大きな努力を要する。
それもまた、No.6の大きな罪です。
楊眠のことは、最後まで気にかかりました。
復讐。
その方法を間違ったことに、彼はきっといつか気づくだろうけれど、
自分の過ちゆえに人が死んだこと。
それをこれからも背負わなければいけない。
火藍の言った、
「あなたはNO.6ではなく、人間なのでしょう」
という言葉が、とても重く感じました。
楊眠は人間として家族を愛し、
人間として家族を奪ったNO.6を憎み、
なのに。
簡単にその線引きは越えられる。
それは今を生きる私たちにも言えることで、
なにを正義とするのか、
今自分が人間であるかを、
確認しながら生きなければいけないと本当に思いました。
そして紫苑とネズミ。
沙布との約束。
生き残った者として。
NO.6に代わって、どんな世界を創るのか。
それは背負うには、あまりに大きなものだけれど
紫苑はやり遂げてくれるだろうと思います。
紫苑はすべてを許すような聖人ではないし
時折人間として危うくなることもあるから、
間違いを犯しそうになることもあるかもしれない。
でも、ネズミという存在や、イヌカシや火藍がいれば
人間として踏みとどまることができるだろうなと。
語られないこの小説の先にそんな紫苑を想いました。
ネズミと紫苑は、ずっとそばにいる者同士ではなかったけれど
互いの存在は、互いに必要なもので、
それぞれ違う場所で生きながら
ふと相手を想う、そんな関係は
なんて尊いのだろう。
大きくその存在を私に残した物語でした。
これからも「NO.6」は、私のどこかに残っていてほしい。