有難いことに少し需要があったので
ギター音作りの記事に引き続き今回は
きのこ帝国
のコピーで自分がこだわった音作りについて紹介したいと思います。
正直僕は一時期から
『メインギターはもうやらない』
と決めていました。
しかしながら、きのこ帝国のギターをお誘いいただいた時に
何故か根拠のない自信があり、「俺が一番空間系を使いこなせるからやるなら俺しかない!」というというおごりから
例外的に引き受けたバンドがこのバンドでした。
これも最初に断っておきたいのですが
完コピは目指していません!!
俺の音の方がかっこいい!というおごりから、音も本家に寄せるのではなく
自分が出したい音をひたすら追求しており
フレーズも「こっちの方がいいんじゃね?」って思えば世界観を壊さない程度に
ちょいちょいアレンジしています。
なので、完コピを目指す人は参考にしない方がいいと思います。
ただ、ライブ後に「音がとてもよかった」というお声をたくさんいただいたので、
主観で作った音ではありますが、客観的にもいいと思っていただけたのだなと安堵しております。
昨今、きのこ帝国のコピーバンドがすごく増えているようなので、自分がギターを封印する前に
少しでも多くの人のお役に立てれば幸いでございます。
それではひとつひとつ解説していきたいのですが、
まずはライブ映像を観てもらわないとわからないと思うので、悩みましたが映像を公開しようと思います。
もし当事者の方で不快に思った方いらっしゃいましたら、個人的にDMなどいただけると削除いたします。
https://www.youtube.com/watch?v=qxkKA7gr2KM&feature=youtu.be&t=1201
限定公開で直接動画を貼り付けることができなかったので、リンクを張っておきます。
やった曲は
・スクールフィクション
・退屈しのぎ
・桜が咲く前に
・東京
この4曲です。
一番ややこしくて説明が多いのが 退屈しのぎ になると思います。
曲ごとに解説していく前に、以前の記事で紹介した音作りとは明らかに違い部分が一点あります。
その概念を念頭に置いて読んでいただきたいので最初に紹介したいのが、
ギターのボリュームについてです。
歪みとクリーンをボリュームで使い分けるというのは前回お話しましたが、
今回は
歪みとクリーンとソロ をギターのボリュームで使い分けています
歪みエフェクターであるOCDと 僕がブースター的に使うMXRのマイクロアンプを常にオンの状態にしています。
その上で、
クリーンを弾く時はギターのボリュームを4~6あたりに
歪ませて弾く時はギターのボリュームを7~8、5あたりに
ソロを弾く時はギターのボリュームを10にして演奏していました。
なので映像を観ていただくとわかると思いますが、
頻繁にギターのボリュームを弄っています。
あと
きのこ帝国はギターで雰囲気をつくるバンド
というイメージを僕は持っていました。
なので、前に出るところはどのパートよりも前面に音を押し出すつもりで大き目の設定で音を作っていました。
でも、抑えるところは極限まで抑える。
音量のメリハリをつけることをとても大切にしていました。
①ボリュームでソロ、歪み、クリーンを使い分ける
②音量のメリハリ
この2点を前提にお話した上で解説したいと思います。よろしくお願いいたします。
あ、あと(いろいろすいません)
ピックアップは全てフロント
仕様アンプはJCで、チャンネル2の上のジャックに差していました。
イコライジングはうろ覚えですが、確か
トレブル9時 ミドル3時 ベース12時(前回の記事で紹介したのよりはミドルを上げている)
だったと思います。
それと後に解説しますが、プレイングの合間合間に隙あらばスライドを多用しています。
よくメタラーとかがブオーーンってやるやつです笑(変な偏見)
これをするとギターの演奏に表情が出て味になる気がするので。
よくわからない方はジミヘンのプレイ動画とか観てみるといいかもしれません。
最後に全体を通して注意して聴いていただきたいこだわりが
最後の音の残響の残し方です。
これはできるだけ細かく解説したいと思います。
それでは前置きがとても長くなりましたがいってみましょう。
まず
一曲目 スクールフィクション
この曲は割とオーソドックスなアップテンポのロックナンバーというイメージでプレイングしていました。
歪みエフェクトを多用するので、基本的にギターのボリュームは7か8くらいで
あとはピッキングの強弱で音のメリハリを出すようにしていました。
サビでは強めのアタックを意識し、Bメロのようなサビに繋ぐ部分は出来るだけ弱めに弾いています。
Bメロはオリジナル音源ではコーラスのエフェクトがかかってましたが、よりロック感を出すために敢えてかけていません。
①
まずはイントロ。
最初のアルペジオは、本家はそこまで歪んでないですが、
敢えて少し歪みを強くしてロック感を出して他の曲と差別化を大きくしています。
この曲が一番ノリやすくてロックな曲だったので。
次にメインフレーズとなるギター。
これはサビの途中にもでてきますが、それを弾く時は音の広がりを出すために
浅いディレイをかけてました。
②
次にAメロの音を解説すると
これはボリューム奏法と言って
僕がかけていたエフェクトは
常にONにしていたメイン歪みとブースター。あとは深いディレイ。
これで、ギターのボリュームが0の状態で弦をアタックして、
その後にギターのボリュームをMAXまで上げる、そしてまた0に下げると
アタック音がない残響だけをアンプからフェードイン、フェードアウトさせることができます。
なので映像を観ていただくとわかると思いますが、
かなり忙しくボリュームのつまみを弄っています笑
この奏法をするときのポイントは
音量がでかくなるエフェクターとリピートの長いディレイをONにすることです。
こうすることでいい感じに音が出て、消えていくようになります。
③
次はソロです。
ソロの時はギターのボリュームはMAXの10にして、浅いディレイをかけています。
序盤の音を伸ばすところはビブラートをかけたり、弦のスライドダウンをしたりしてちょっと味を出しています。
あと、世界観を壊さない程度に若干フレーズを変えています。
ソロの後半は半分アドリブみたいな感じですww
でも最後の〆るところだけはしっかり元に戻します。
そして
一番のポイントはソロの一番最後(ボーカルギターのコード演奏だけになる直前)
この最後の一瞬のイントロフレーズだけ深いディレイをかけています。
そうすることで、音の残響を長く残し、ある程度伸ばした後はボリュームをゆっくり下げてフェードアウトさせています。
④
その後一拍置いて全体で入るところ、コードはサビのコードなのですが、
オリジナルの音源では簡単なギターの単音フレーズが入っています。
僕はこれを弾いてしまうことにより、コード感が薄くなりバンド全体として音が薄くなることを懸念しました。
それよりもここは全体でコード感と演奏の圧を出してラスサビに向け、一気に盛り上げていく方がいいと考え
それほど重要なフレーズでもなさそうだったので僕は敢えて単音を弾かないことを選択しました。
そのかわり、単音フレーズの音を含んでいるハイフレットのコードでその部分だけ弾いています。
そうすることでコードを弾きながらにして、単音フレーズも演奏することが可能になりました。
単音フレーズ単体で弾くのにはフレーズ自体の存在感は一切勝てませんが、
演奏の圧を落とさずにその単音の空気感をすこーーしだけ醸し出すことに成功しました。
⑤
最後にアウトロの部分ですね。
あ、ちなみにイントロのフレーズを弾くときのボリュームはソロ用の10ではなく7~8くらいの普通の歪みを使う時のボリュームで弾いています。
一番最後のイントロフレーズに戻る直前のフレーズ。
あれはなんかどうやってるのかよくわからなくて、その上パッとしなかったので(きのこ帝国ファンの方すいません)
ブルースのギタープレイとかでよくやるペンタトニックのフレーズの、
中指で3弦のチョーキングから人差し指で1,2弦を抑えて弾くっていう感じの奏法で世界観を崩さず雰囲気と若干のソロ感を出しています。
この曲の最後の残響はディレイは使わず、指のスライドダウンで軽くフェードアウトさせています。
軽く説明するつもりが1曲でこれ。。。笑
なんとなくやってるつもりでもいろいろ考えてたんだなぁと改めて実感します。
その後二曲目に向けてカポをはめて音を確かめているのですが、MCもないので あまりチューニング感を出したくなくて
ボーカルの準備が終わるまでボリューム奏法で遊んでます笑
二曲目 退屈しのぎ
①
まず初めの「スーーーー」という音ですが、
これはBOSSのRC30というループステーションの最高峰だと思っている機材がございまして、
それに僕の声を重ねて増幅させてサンプリングして流しています。
なのであれば僕の声です笑
②
続いてイントロ
イントロはギターが一番前に出ないといけないと思っていたので、ソロの音量(ギターのボリューム10)で弾いています。
さらにフレーズの最後の一音だけ深いディレイに踏みかえて弦のビブラートと相乗効果で残響を残しています。
音がしっかりなくなってからギターのボリュームを0に下げます。
③
Aメロの間奏の変な音
あれはクリーンに深いディレイをかけ、ピックで弦をひっかいて不吉な金属音を出しています。
ひっかく弦によって音が違うし、ひっかく場所で音程も変わるので面白くて難しい奏法ですね。
僕自身も全然マスターできてません汗
④
Bメロは小さめの歪みのボリューム、ピッキングの強弱でメリハリをつけてます。
サビは大きめの歪み(大体8.5くらいかな)でアタックを弱めにしてます。
その後のソロはボリュームMAXです。
サビからは浅いディレイ。音に広がりを持たせています。
サビのラストの音だけ深いディレイ。ビブラートもさせつつ、残響を長めに残しています。
⑤
ソロ後の間奏
僕の声のサンプリングを流しつつ、RC30でその音にエフェクトをかけて遊んでます笑
その後はボリューム奏法、
深めのディレイ
ボリューム0でピッキング、瞬時にMAXにしてすぐ0にする。そうするとあんな音が出せます。
そこのコードは変えてます。
その後のイントロフレーズの演奏に向けて盛り上げていけるように少し工夫しました。
⑥
その後のイントロフレーズ
ここで新しいエフェクター ファズが登場します笑
歪みとブースターは常にオンにしてますが、ファズは狂気的なところで踏みたいので普段はオフにしてます。
機材はFazz Factry系の上位互換的なエフェクターのFazz Probeを使用してますが、まぁProbeにする必要性は皆無です笑
Fazz Factryは独特なサウンドが作れるファズですが、その独特な音を使ったことがないので、やっぱりビッグマフが無難だと思います。結構音作りが難しい。
一番肝心なのは、ファズを踏むことでハウリングを発生させているのですが、
ハウリングの音程を調整しています。
音で言うとA#になるっすかね。このハウリングの音程が変だとせっかくの雰囲気が壊れてしまいます。
当時は感覚でやってましたが、キーD#の5度の音に当たるのがA#ですね。
A#でハウらせるのが一番いい感じがします。
ハウリングを発生させてるのと同時にわざとこのファズをかなり爆音にしてます。
映像だとわかりにくいかもしれませんが、めちゃくちゃ爆音です!笑
この時は完全にギターに全員の意識を向けさせるイメージでした。
俺の音を聴け!!
とギターが言ってます。
一応予定ではファズの出番はこの曲で終了です笑
⑦
その後のAメロ
最高潮まで盛り上げた雰囲気がファズを切ってしまうと台無しになる気がして、
敢えてファズを踏んだまま演奏を続けました。
ピッキングは赤子の頬をなでるような弱さでやってますが、出力がでかすぎであんまり効果をなしていません笑
なので、音数を減らしてなんとか音量を絞りたいという誠意は見せています笑
⑧
その後の残響
この時オンになってるエフェクトは歪み、ブースター(これはオフになることはライブ中はない)、ファズ、浅いディレイ
ファズで出力がクソでかくなってるので、深いディレイかけなくても音は残ります。
ファズがオンのままギターのボリュームを0にすると変なハウりかたする恐れがあるので、
ファズをオフにすると同時にギターのボリュームを0にしてます。
そしたらスイッチを踏んだ音がいい感じにディレイで残響になった感じです。
⑨
ラスサビ
ハウリングを出すために
狂気のファズをすぐさま発動笑
これもピッキングの弱さと音数の少なさを意識。
コーラスが埋もれるのであえてオクターブ上の音程でコーラスしてます。雰囲気的にも盛り上がるし。
⑩
アウトロ
ソロフレーズからアウトロに入る時にもスライドを入れています。衝動感を出したかったので。
このフレーズ終わり、こっちはファズをオンにしたままボリュームを上げたり下げたりして下げています。
変なハウり方してるでしょ?
最後の雑音はファズのでかすぎる出力が原因なので、ある程度鳴らしてタイミングみてオフにしました。
あ~お疲れ。
その後MCで恒例のボリューム奏法遊び発動笑
MCが次の曲に向けたものというのもあったので、次の曲のコードを使って雰囲気を出しているつもり。。
三曲目 桜が咲く前に
この曲は歌モノという認識があったので前には出ない!
しかし、メリハリを大きく見せたいので出すところは出すぜ!っていうスタンスでした。
この曲は何気に一番繊細さが試される曲。
緊張のしすぎでミスりまくってます許してお母さん。
①
イントロはソロと同じボリュームで浅いディレイをかけて弾いてました。
②
Aメロのクリーンはボリューム控えめ(4くらいかな)ピッキングは優しくを意識。
Aメロ終わりは一気にボリュームMAX。メリハリをつけてます。
③
一番BメロはボリュームMAXで浅いディレイ、大きめのビブラートで音を伸ばしてます。
④
サビ前~サビ
ここでボリュームペダルがないデメリットが顕著にでます!
一瞬でディレイをオフ(これはできる)、ボリュームをクリーンにしてサビ、コーラスもやる
どうしてもできなかった。。。。ミスではないです、できないんです!!
まぁボリュームペダルあっても両足使わないとできないから、難易度高すぎ。。
なので、一瞬ギターの入りが遅れています。
ここはボーカルの歌を押し出したいのでギターとコーラスの声質は控えめでやってます。
⑤
イントロフレーズの残響
これは盛大にミスりましたww
深いディレイでいい感じに残響を残したかったんですが、一瞬ディレイの切り替えが早くてアタックを深いディレイが拾ってしまったがためにすごく不自然な残響になっています。
歌に意識を向けたかった場所だったのに、ギターが目立ち過ぎました。
残響にこだわるとたまにこういうミスがあるので気を付けてください!!
⑥
2番Aメロ
残響の関係でボリュームが0になっていたので、やむをえずボリューム奏法でフェードインしています。
まぁ歌がメインやからふわっと入るのもアリやろうと。
⑦
2番Bメロ
あえてオクターブ奏法でメロディアスなフレーズに変えてます。
この曲はエモい曲。一番盛り上がるこの部分をギターでエモさを出したかった。
スライドもブンブンやってます笑 このライブで一番エモい場所だと思って弾いてました。
⑧
ラスサビ
これは一瞬隙があるのでディレイのエフェクトオフとボリュームダウンが間に合ってます笑
⑨
ソロ
すいません、指がガッチガチに固まってて(何故?)くそミスってます。
終盤はダブルチョーキングとか使って少しだけ変えてます。
MC中は恒例のボリューム奏法遊び。。。笑
四曲目 東京
やっとここで緊張から解き放たれてやりたい放題やりますw
①
イントロ
ボリューム奏法でフェードインをかけて雰囲気を盛り上げてます。
ここはオリジナルはローコード弾いてると思うのですが、ベース感を顕著に出したかったのでオクターブ奏法でベースラインをなぞってます。
②
Aメロ
ボリュームを絞りまくって身をひそめる。
③
サビ終わりのソロ
これはソロの音量で深いディレイをかけて音を広げています。
④
ラスサビ
直前にボリューム奏法でフェードイン。
⑤
アウトロのソロ
ここで気持ちが盛り上がりきってたので 勢いでファズを踏みましたww
ソロも少しだけエモめに変えてます。
ファズを踏んだおかげで残響がハウリングでいい感じに残ったので結果オーライどころか偶然が生み出した120点ですww
最後は雑音もいい感じに伸ばしてファズのエフェクトオフで終了。
疲れた。。。ここまで付き合っていただいた方もお疲れ様でした。。
もう締めの文章書く気力もないし、読む気力もないでしょ?笑
まぁ、ここまで書いて思うのは、
これはコピーじゃなくてカバーやったなwwwwwww
バカー
余計疲れたでしょ?