すごく可愛いだけで

生きていけたら苦労しなかった?


いわゆる地方都市に生まれた私は

ずっと容姿にコンプレックスがあった

親からは可愛くないと言われ

意味もなく殴られた。兄妹からもバカにされた。


目つきが悪いといじめられた。

好きな男の子に告白しても

相手にされずおもしろおかしく言いふらされた。


テレビの中の

アイドルになるのが夢だった。

可愛く歌って踊るだけで、ドラマでヒロインを演じてイケメン俳優に取り合いをされて

羨ましくおもった


ノートに好きなアイドルの切り抜きをベタベタ

貼り付け

私もこうなりたいとノートを広げ何度も何度も

イメージした。

オーディションに応募しても書類すら通過しない


思春期に

雑誌を見てメイクを真似してみた。


どうしても可愛くならない


同じようにならない


自分が不細工なことに気づいた。


雑誌のモデルはくっきり二重にスッキリした鼻

ぽってりした可愛い唇に八重歯がキュートだった。


顔の輪郭も綺麗な卵形だった。


可愛い子がおしゃれするのと

なにもかもが美人とはかけはなれた容姿の私が

同じパウダーを塗りたくり眉毛の形を似せても

全然違う。可愛くない。痩せても誰にも

可愛いなんて言われなかった


親にも馬鹿にされつづけた。

メイクをしたら気持ち悪いと言われた


高校生になりギャルに憧れてバイトして貯めたお金で思い切りおしゃれして


街にでかけた。


田舎の繁華街なんていくところは限られていて

狭い世界なので

中学生の時同じクラスにいた有名なヤンキーに

見つかって調子に乗ってんじゃねえよと

カツアゲされた。


大人になり東京に出てきた。

目も鼻も整形して可愛くなった。

109のマネキンそのままのコーディネートを

購入し、目一杯おしゃれして


VUITTONやmiumiuのバッグに

清楚系のジェルネイル


髪の毛もタレントが通う渋谷の美容室で

綺麗にしてもらってた


美容室ではタレントばかりVIP扱いで

ただ髪を切るだけでも濡れたまま30分以上も

放置されるような店だった


虚しい気持ちになった。

それでもしばらく通い詰めた。

私は可愛くないから丁寧に接客してもらえないのかな、なんて思いながら。

それでも扱いは変わらず、

ネットの口コミをみたら私のような人はたくさんいたのでそのうち行くのをやめた。


私はモテたかった。

自分をバカにしてきた人たちに

こんなに見違えたのかとびっくりされたかった。

ただそれだけを

強く願ってきた。過去の惨めな自分を変えたかった


でもお金が必要だった


だから私はなんでもした