本日62歳を迎えました。
新型コロナに苦しめられたこの3年間も極力普段通りの生活を心がけてきました。おかげさまで今日まで心身ともに健康を維持しています。
まだまだ至らぬ人間ですが、どうかこれからもよろしくお願い申し上げます。
【余談】
3月初めのある日、京都と大阪で異色の研究者お二人からお話を聴く機会がありました。
京都では社会学者の岡原正幸先生。感情社会学をご専門とされる岡原先生は慶應義塾の通信課程に対する最大の理解者であり、学事の発展に尽くしてこられました。通信生に向けた特別講義は100回を優に超えているとのこと。今回は定年を迎えられるため、最終講義という形で京滋慶友会の招きで入洛されました。
「学びの喜びと生の喜び」と題した講義は、いつも通りの「あらかじめ話す内容を決めていない」スタイル。私が通信課程の門戸を叩いた12年前、入学ガイダンスの講師役として登壇された先生の「目の前に立ちはだかる壁を乗り越えろ」という言葉が思い出されます。
そしてその日の夕方には、大阪の南森町で開かれた大阪公立大学の小関研究会の集まりに飛び入り参加。小関珠音先生はイノベーションをご専門とされる経営学者で、企業の社外役員も務めながら数々のプロジェクトを同時進行させていくというスーパーウーマンのようなお方。先生の元に集まるゼミ生、修了生の方々も各界のフロントランナーのような方々ばかり。とても刺激的な一日となりました。
小生は50歳を機に学究の扉を開きました。これまで道標なき道を歩んできましたが、なんとなく「公共性」「多様性」というテーマと向き合ってきました。今の関心は「利他」というキーワードです。
「他者をコントロールしない」という大原則に基づく利他は、「他者と自己との壁が無礙になったとき生起する出来事」(若松英輔)として捉えられます。私は、100年以上の歴史を歩む「老舗」と言われる日本企業のレジリエンスを見るにつけ、利他の心は優れた日本人企業家の性根に備わる魂であるような気がしています。
気鋭の研究者お二人のお話をお聴きし、その思いを強くしました。