今回は参考文献と注について書きます。
ある先生は、本文を読まなくても参考文献リストを見ればその論文の質がわかると述べています。
注の付け方に一定のルールがあることはレポートを提出した方には理解されていると思いますので詳しくは書きません。
初学者ために参考文献を挙げておきます。
中には「この箇所はインターネットからの引用では?」とストレートに注意されることもあります。これはネットからの引用が誤りであるということではなく「他人の文章を引用する場合は必ず出典を明記せよ」ということです。この作業がないとその論文は剽窃にあたり、原作者との間に法的な紛争が起こることを意味します。
また参考文献から引用したい箇所が他文献からの引用であるケースがあります。その場合には孫引きになりますので原典に当たることも要求されます。
冒頭の写真は私の原稿ですが、注をつけた箇所はは244番まであります。先行論文の筆者の見解に当たる部分はコピーでなくてもナンバーを打つように気をつけました。出典情報を加えることで読者がその文献を見つけられやすくする効果もあるからです。
具体的に参考文献が何冊あるのかは厳密に数えてはいませんが、手にした文献は60冊以上にはなると思います。その他に雑誌に掲載されたレポートや新聞記事のコピー、ネットから読めるレポートなどエクセルでDB化したものはそれを上回るかもしれません(面倒で途中から止めてしまいましたが)。コピーした資料はジャンル別に仕分けして封筒なんかにまとめて入れておくと記憶から消えることがありません。
とりわけ指導の中で役立ったのは、特定の業種や分野を扱う場合にはそれに関わる専門誌や協会誌があり、そこには重要なレポートがあるのでチェックするようにと言われました。おかげで様々な先行論文を参考にすることができました。(例えばシンポジウムの内容や講演要旨も含めて)
また参考文献を集める方法としては、「CiNii論文」などの検索エンジンがとても便利ですが、参考文献が引用している文献リストを数珠繋ぎ式に辿っていく方法も有益です。知識の樹海のような場所で「これだ!」と発見した時はとても嬉しいものです。
参考にしたい文献が図書館になくAmazonで中古本を購入した時ですが(絶版のため定価の数倍の値段がついていたww)、入手したその本は、その筆者自身が表見返しに献本した相手に英文でメッセージを直筆されたものでした。これには感激しました。
このように自説の論理を組み立てる作業は、先行論文の足跡を辿りながらその数々の主張の再構築を目指すものだと思います。したがっていかに多くの多彩な文献に触れて多様な意見の中から自分の意見をブラッシュアップさせるかという行為が、優れた「卒論」につながるということになるのではないでしょうか
私は、卒論指導登録は100単位を超えてからという計画を立てていましたが、その方針が卒論に集中できた要因ではなかったかと思っています。
いつもありがとうございます
