義母がお世話になっていた老人ホームは日中のみ看護師さんがいるところ。
夜は不在なので痰の吸引などはできない。
義母は寝たきり、ほぼ無反応になってくると、次第に嚥下の力も衰えてくる。
すると痰が溜まりやすくなる。
本来、咳をして痰を出すのだが、その力がもうない。
24時間看護体制の施設に移ってはどうか
夜中の吸痰ができるので安心です
寝返りも出来ないし目も見えない義母を延命?
痰で夜中に苦しんでいるなら可哀想だし、何かしてあげられるものならやってあげたいとは思う。
でも24時間体制のところに移ったとしても、本人が苦しい~と意思表示すらできないのに、そこに行く意味はあるのだろうか。
紹介してくれた施設は同じ会社が経営する所。
移ればまた入居一時金がかかる。おそらく何百万もかかる。
心配してくださることはありがたく受け止める。
だが一方で12時間体制の人を24時間体制に移していくという経営で、会社には利益が出るだろう。
会社の方針?って思うのはへそ曲がり?
私達夫婦は 夜中も吸痰することでいくらか長く生かすことに疑問 を感じた。
管を喉に入れるので吸痰自体が本人にとって大変そう。
普段無反応な義母の体が反応するくらいだから。
施設を移って本人に何かいいことってある?
生き地獄ってことない?
夜中の痰に襲われたら 不運だったね、と
受け止めてはいけない?
義弟は迷っているようだった。
結局義母は施設を変えることなく過ごし、夜中に痰を絡め、救急搬送され、肺炎の診断を受け入院した。
ただ、意外なことに、痰が絡んでいるのに本人は全く苦しそうではなかった。
そのまま置いておけば自然に苦しまずに亡くなることができた。
義弟夫婦と延命治療はしないと合意していた
胃瘻のことぐらいしか考えていなかった。
夜中の痰が命を奪うかもしれない
なんて考えていなかった。
夜中に痰が絡んだ時、救急車を呼んだことが結果として延命に繋がってしまった。
本来の自然な状態ではなく
不自然な状況を作り
義母を自然に死ねない状況を
作ってしまった