義母は施設でおかしくなってしまった。
携帯電話で息子(義弟)や嫁たちに毎日100回以上の電話をかけてくる。
電話を切った瞬間に今まで電話をしていたことが頭に残っていない。
手元には携帯電話。
電話しよう、と思って電話する。
これの繰り返しだったのだと思う。
なぜ、電話をしたくなったか。
時間を置いた今、考える。
認知症の人でも行動には何かしらの理由があるんだと私は思っている。
老人ホームに入る話はその場その場で理解して入所に至ったけれど、認知症になっていたから、老人ホームで1人になり、忘れたり、わからなくなってしまって 不安がいっぱいだったんだろうね、と思う。
自分が置かれた状況がわからなくて、そばに家族がいて欲しかったんだろうと思う。
目が見えないのに、知らない施設に入って、知らない人に囲まれて生活が始まったから。
家族の声が聞きたいと思った。
なんだかわからないから とにかく自分の家に戻りたい。
家に帰れば自分は今までと同じように生活できる。
こんな必死な思いだったのではないか と、亡くなった今、振り返って思う。
認知症が進んでしまい、私達の話をちゃんと聞くこともできないし、自分の思っていることも伝えにくい。
そのイライラが暴力、暴言になり、
帰る帰るかえるぅ~~
寂しい~~~
呪いの呪文のようになり、私達を苦しめた。
目もよく見えない中で、認知症の 義母はもう、独居生活は無理だった。
社会に迷惑をかけることが多くなり過ぎていた。
独居生活ができないなんて、義母のプライドが許さなかったんだと思う。
私にできないなんてこと、ありませんっ!
本人はできる!と言ってても、できていないことが多かった。
だからどうしても施設のお世話にならなくてはならならない状態だった。
あの状態で独居できていた?
いや、生きていただけだよ。
そんな生活ぶりだった。
自宅にいるうちから精神科の医師に診てもらえていればよかったのに、と思う。
何度も受診をトライしたが失敗している。
連れていくのが困難な人だったから、往診の医師がみつかればよかったのかもと思う