老人ホームに入れて母は元気になった。
いやいや元気になったのは母だけではない。
父も私もすっかり元気になった、心も体も。
入所時の母は、2人で抱えるようにしないと歩けない、
というか空中浮遊に近い状態。 悟りか・・・
施設に入ったら寝たきりになっていくんだろうなと思っていた。
が、が、が、
予想は外れた。
家にいたらすぐに目的地、、、台所、和室、・・・に到着してしまう。
宮殿ではないので長い廊下もない。
座るところも至る所にある。
家では母が歩いて悪さ(モノをどこかに隠す片付けてしまうこと)を
されても迷惑なので なるべく座っていてもらいたい。
目の届くところに いてもらいたい。
だからあえて母を歩かせることもしない。
されど歩いたところで距離は たかが知れている。
施設では長い廊下をスタッフさんが
母に寄り添ってずっと歩いてくれる。
歩かなくてはならない状況下にある。
入所して2週間ほどすると自分で立ち上がろうとするようになる。
今度は転倒の危険が生じるため、
エントランス正面にある広~い受付の スタッフの横で
一日中過ごすようになった。
受付嬢になった! はずないじゃん!
更にひと月ほど過ぎると立って少し動けるようになり、
3ヶ月ほどしたら ひょこひょこ一人で歩けるようになった。
歩ける、歩けない、の中間あたりの人って
転倒の危険性大
そんなわけで母は入所してからずっとホールか受付で過ごしている。
寝る時だけ自分の部屋で過ごす。
今はスタッフさんが横に立ち手を取り歩いている。
だからトイレはトイレでできている。
家にいた最後の頃は もう、トイレには連れていけなくなっていたのよん。
まさか、あの寝たきりに近い状態だった母が歩けるようになるとは!
と驚いている。
家にあのままいたらどうなっていたか。。。
歩けなくなり、寝たきりになり、
ますます私の負担が増えていたことだろう。
母を施設に入れて
母の体は元気になったし
父は過労から解放され
私も泥沼から這い出したような気分
施設にいれてみんなが幸せになった
負荷が大きすぎたことを意識した
老人ホームに入れなかったら
母はきっと何もできない人になっていた。
入れて良かった。