今日は現在のこと、昨日の出来事です。

悲しくなってしまうけど、どうにもならないことがあるんです。

 

 

父は自宅で独り暮らし。

老人ホームに入っている母の面会に2人で行った。

 

優しい父はいつも母のためのおやつを小さなタッパーに入れて持っていく。

父と母との二人分。  おじいちゃん  おばあちゃん

 

昨日はどら焼き1/4ずつと父が蒸かしたサツマイモ一切れずつ。

食べやすいように切られていて、丁寧にラップで包まれている。

 

フォークも2本。   

お茶とコップもある。 お茶 ピンクマカロン

 

父にとって一緒に食べることが最高に幸せと感じる時間なのだろうと思う。

私は横で母が食べるのを手伝う。

 

認知症がだいぶ進んだ母は、食べたことはもちろん、今、口に運んだことも

一瞬で忘れていっているのだと思う。

それでも父は美味しいものを食べさせてあげたいと、いろいろ持ってくる。

 

支離滅裂な話を上機嫌で喋り続ける母。  デレデレ  もやもや ? もやもや

  今日も元気だね~   わんわん 気づき気づき(笑)

 

楽しそうな母を見て父もとっても嬉しい顔になっている。 照れ 音譜

 

  ニヤニヤ   Aちゃん(兄)はどうしてる?

         ちっとも来ないのよ

         何があったのかしら~  驚き 汗

 

という話が始まってしまった。

 

 

 

兄は感染からひと月でコロナで亡くなった。

 

ショックで、何カ月もの間、兄の小さい頃のアルバムを一日中見ていた母。

 

既に認知症だったので、兄のことを忘れてくれたら母はラクになるだろうに、

と思っていた。

 

 

半年くらい前から

 凝視  ハッ ん? もしかして亡くなったこと、わからなくなってる?  

そんな風に感じるようになった。

 

従兄弟たちにその話をすると、

忘れちゃった方が叔母ちゃんにとってはいいことなんじゃない?

私もみんなもそう思い、少しホッとしていた。

 

 

と こ ろ が

 

最近の母は   ニヤニヤ ??    Aちゃんはどうしてる?   と聞いてくる。

 

 

私のいない時、まじめな父は、

Aちゃんは死んじゃったよ、忘れちゃった?

そう言って一生懸命説明していたらしい。

すると母は大混乱を起こす。

どちらにとっても地獄  !!

 

 

 

母が以前、兄が来ないという話をし始めた時、私が

 

あら、そーお、近いうち来ると思うけど、仕事忙しいって言ってるからねー。

 

みたいに返事しているのを見て、父は

 

ああ、そうゆう風に言えばいいのかー。

まともに説明しちゃったらどうしてなのか、どうして死んじゃうのかって。

大変になっちゃって。

 

と言っていた。

 

 

 

母から兄の消息を聞かれるのがツラすぎる。

母には嘘を言わなくてはならないこと。

それを父が聞いていること。

この問答が父に息子の亡くなったことを改めて思い出させてしまうこと。

 

 

はじめは認知症なんだから息子の死を忘れてしまうことが幸せだろうと思っていた。

現実は息子の死は確かに忘れられたが、息子は忘れられなかった。

 

 

父がもういなくて、私と母とだけでやり取りしているのなら私は全然何とも思わない。

認知症なんだから仕方ない、で済む。

 

父に聞かせる会話ではない。。。

 

もう兄は来てくれない。。。