高岡ミズミ先生の『VIP』は大好きなシリーズです。

 

スパダリ感満載の久遠さんと和孝のイノシシというか気性の荒い野良猫的な生き方。この二人が魅力的でたまりません。先日発売された『VIP 溺愛』は、配信と当時に読みました。溺愛でした~。新刊が出るたびに、シリーズ全巻を何度も読み返してしまいます。何度読んでも飽きません。

 

『VIP』愛については、感情のままに書くと終わりが見えないので、もう少し落ち着いてからあらためて記そうと思っています。大好きなシーンがわんさかで、まとまらないとは思うのだけど。

 

で、セカンドシーズンになってからの心配事が巻を重ねるごとに大きくなっていきます。しょうもないことですが、和孝の収入についてです。『VIP 残月』の最後に和孝が「Paper Moon」という小さなレストランを開きました。10坪で15席です。料理学校を出てすぐにお店をオープンさせて順調とうのは、やはり血筋というのもあるのかもしれません。さすが和孝です。

 

ただ、ここで気になるのが、「Paper Moon」の収支面。スタッフは、BMのドアマンだった津守さんとサブマネージャの村方くん。そして和孝なわけです。3人です。採算がとれているのかが、もう心配で心配で……。久遠さんも心配しているのではないかと思うのです。店舗は居抜き物件とのことは書かれていましたが、賃貸か購入したのかわかりません。開店資金は、和孝のBMでの貯金をすべて吐き出したようですし、残り半分は久遠さんに借りたようです。その開店資金に店舗購入が入っているのかわかりません。普通に考えたら、改装に1,000万前後かなと思いますが、居抜きなので700万くらいでしょうか。BMのときの貯金はかなりあったと踏んでいます。何分、趣味と言えば久遠さんくらいの和孝だし。そう思うと、賃貸だったら無借金でいける?久遠さんに借りたと言うことは物件購入?和孝がローン審査に通らなかったら、久遠さんが現金でさくっと払ってくれるというのもわかるけれど、そうすると、開店資金の半分という言い方ではなくて、かなりの割合のはずだし……。

 

あれこれ無駄に思案した結果、結局料理学校へ2年通った費用とその間の生活費が貯金から出されたということを考えれば、残りの貯金で居抜き賃貸を改装して、半分久遠さんからお金を借りたと言うことであうかなと想像しています。料理の専門学校ってなにげに学費高いし。

 

賃貸ということは家賃がかかるわけでして、場所にもよるけれども20万円くらいだろうか。それに水道光熱費やらなにやらの諸費用と原材料、なによりも人件費。10坪15席程度のお店だと、だいたいオーナーシェフとアルバイト、またはオーナー夫妻とアルバイト、くらいで回す規模かなと思っています。ただ、とても忙しいということなので、回転率を考えるとまぁ3人いるのはいいですよ。でもアルバイトではなく、正社員となるとかなりの人気店でなければと心配。

 

スタッフ一人雇うとなると社会保険料もかかるし、支払う給与の倍とは言わないまでももろもろの税金含めた諸経費で1.5倍はみておかないといけない。LunchとDinnerではあるけれど、大学生も気軽に入ることができるようなお店ということなので、そんなに高くない小洒落た気軽なレストランだと思うんですね。Lunchで、単品のパスタで1,200円前後~で、セットにしたら1,800円位~。夜はお酒が入るから客単価はグッとあげたいところですね。夜を単品だけではなくしっかりコースにしたら3,500円くらいかな。それにお酒をいれてなんとか客単価を5,000円くらいにいって欲しいところですね。でも、みんながみんな飲むわけでもないし……。

 

新米シェフでイタリアに行って学んで来たわけでもない和孝が、そこまで高い金額ではお料理出せないですよね。なので、お料理の単価はがんばってさっきくらいかと思われます。大学生の男の子や近くのオフィス勤務のOLさんLunchということならば、もしかしたら手頃な800円くらいのパスタや、簡単なサラダとパン、コーヒーをつけたセットが、1,200円くらであるかもしれません。

 

そんなこと日がな一日考え、客単価が低かったら、和孝はいいとしても(本人は否定したとしても大きなお財布もってる事実)他二人の生活は大丈夫だろうかと心配で心配でたまらなくなります。なんといっても『VIP 溺愛』では、南川のせいで「Paper Moon」は閑古鳥。

今願っているのは、津守さんは実家の警備会社の役員に入っていて、村方くんは有名弁護士のお父さんの持つ不動産の一部を管理をしているという、ふたりに不労所得があるという状況です。これがあれば、二人の心配をせずに「Paper Moon」を和気藹々とできるのだけど。

 

BM時代でしたら、皆若いことを考慮しても、高級クラブのスタッフですから和孝はマネージャーなのでおそらく年収800~1,000万はもらってないとでしょうし、村方くんはサブマネージャーなので650万~750万あたり。ドアマンの津守さんはBMからは500~650万あたりでしょうが、久遠さんから警備費として別途破格の報酬がいっているでしょうし。そう思うと、その時の生活水準を今維持できているのか。津守さんはいいジムにいっていると思われるし、村方くんもBM時代はそれなりの暮らしをしていたと思うわけです。ですが、「Paper Moon」ではその収入は難しいですね。和孝はまぁ、自分でやり始めたし無趣味だし久遠さんいるし、ぶっちゃけ月収20万円の手取り16万そこそこでも大丈夫ではと思ったりします。でも、車もスクーターもあるから維持費と駐車場代で、きついか。

 

津守さんや村方くんを誘うにしても、年収350万円ですというのではさすがに……。

最低ラインとして年収ベースで500万は欲しいところです。二人がアルバイトならばいいのだけど、そうでないだろうから。

もうね、『VIP 溺愛』を読んでからすごく心配で、ずっと計算をしていたんですよ。結構細かくシュミレーションしてました。“家賃を20万、昼間の平均客単価、夜の平均客単価、回転率、人件費、原材料、水道光熱費、稼働日……。”

試算して出た答えは「がんばれ!!和孝!!!」でした。

 

『VIP 溺愛』では、南川のせいで閑古鳥の鳴いている「Paper Moon」。

家賃や人件費など固定費を考えると、ドキドキします。がんばれ和孝!!

満席のLunch1回転だと、厳しい。夜もお酒がかなり入らないと厳しい。おそらく、閑古鳥が鳴く前でトントンから少し黒。今は踏ん張り時です。

結局、南川の黒幕については想像の域をでないけれど、もしあの坊ならば次からも苦難がくるでしょう。その時に揺るがない地盤を今しっかり作っておこう。がんばれがんばれ。

 

『VIP』の通常感想は、また別の機会に。弱っちくない和孝。以前の手に負えない野良猫の様子はなくなったけれど、いい大人になってきています。久遠さんも。二人の間に他愛もない会話があるだけで、うれしくなるセカンドシーズンです。どこかで上総×谷崎とかないかなぁ。SSとかで、昔二人でBMのあららぎの間で過ごした時間がどんなだったか見てみたいです。キスの一つもあったのではと思っていますが、どうでしょうか。

 

あ。でも一つだけ。挿絵について。

わたしは佐々成美先生の久遠さんが好きでした。セカンドシーズンになり、沖 麻実也先生になりました。溺愛で沖 麻実也先生の挿絵もしっくりときはじめています。キラキラしているのもいいですよね。ただ一つ!ただ一つだけ!久遠さんにスリーピースを着せてください。これだけはどうしても譲れないんです。久遠さんのかっちりとした服装は、絶対にスリーピース。ベスト入れてください。それだけでわたしの満足度が格段に上がります。